月刊バスケットボール6月号

PHOENIX杯(渦潮)女子は岐阜女が大阪薫英を破る!

 4月2、3日の2日間、兵庫県淡路島にある南あわじ市文化体育館ほかで『第2回PHOENIX杯(渦潮)高校バスケットボール in 兵庫』が開催された(男子は4月4、5日開催)。

 

 今大会は、フェニックス観光株式会社と兵庫県バスケットボール協会が主催する交歓大会。女子は12チームが参加し、そのうち1位トーナメントには岐阜女(岐阜)、大阪薫英女学院(大阪)、津幡(石川)、高知中央(高知)の4校が進出。準決勝では岐阜女が高知中央を、大阪薫英が津幡を下し、決勝へと進出した。

 

 決勝進出の2校は、実は4月1日に兵庫県姫路市で行われた交歓大会『姫路イーグレッツカップ高校招待女子バスケットボール大会』で対戦したばかり。そのときは出だしから流れをつかんだ大阪薫英が勝利したが、昨年のインターハイ準決勝でも当たった強豪同士とあって、今回の戦いも注目となった。

 

 大阪薫英の新チームは、#4都野七海、#6熊谷のどか、#7島袋椛の3人が昨年度から不動のスターター。ただ今大会は、ケガ明けの#4都野のプレータイムをある程度抑え、#6熊谷が2ガードと1ガードを柔軟に使い分ける形となった。対する岐阜女は昨年度の3年生たちがごっそり抜け、新チームは新2年生を主軸とした下級生主体に。合流したばかりの留学生2人は今大会ベンチ外で、3年生1人に2年生4人というスターターで臨んだ。

 

 

 序盤で流れを手にしたのは大阪薫英。#5仲江穂果らが高確率で得点し、積極的なオフェンスで岐阜女を圧倒する。だが、岐阜女も#5川﨑楓佳の4点プレ-などで流れを変え、1Q終盤に逆転。その後も岐阜女が3点前後リードし、大阪薫英が追い掛けるという互角の展開が続く。

 

 試合が動いたのは、岐阜女の3点リード(39-36)で入った3Q。激しいディフェンスで薫英のドライブをシャットアウトし、相手のミスから#10榎本麻那らが強気でブレイクに走ってリードを広げる。昨冬からスタメンで経験を積んできた#9絈野夏海の連続得点などもあり、67-53で最終Qへ。

 

 巻き返しを図る大阪薫英は#10木本桃子と#8松本莉緒奈の3Pシュートや#5仲江のドライブで点差を縮め、さらには相手の#5川﨑をファウルアウトさせることに成功。それでも岐阜女はこの嫌な流れの中、#19佐々木アリシア那夕がオフェンスリバウンドで気を吐き、つないだボールから#9絈野が価値ある3Pシュートを決めるなど逆転させない。最後は3点差の場面で#19佐々木がフリースローをきっちり2本決め、81-76で岐阜女が逃げ切った。

 

 

 2日前の姫路での対戦から、見事リベンジを果たした岐阜女。2年生エースの#9絈野だけでなく、今年コンバートした大型ガードの#10榎本や、決勝後はホッとして安堵の涙を流した#19佐々木など、伸びしろある下級生たちが存在感を放った。「うちのチームカラーであるディフェンスをもっと磨きつつ、オフェンスのバリエーションも増やしていきたい」と安江満夫コーチ。

 

 一方の大阪薫英も、敗れはしたがさまざまな選手が試合に出てポテンシャルを見せた。昨年は控えで出るつなぎ役だった#5仲江が得点源の一人として頭角を現しつつあり、今年度は#4都野と#6熊谷のガードコンビだけでなく、#7島袋(175cm)と#5仲江(176cm)のサイズあるコンビネーションプレーにも注目。今大会は#10木本(桃)らも貴重な経験を積み、安藤香織コーチも「新チームは今の時期としては使える選手が多く、層が厚いですね」と評する。

 

 コロナ禍で対外試合などがなかなか行えない中、今大会のような交歓大会は実戦経験を積む貴重な場。参加チームはそれぞれに大きな収穫を持ち帰った様子だった。高校バスケの新シーズンはまだまだ始まったばかり。今年1年、どんなドラマが繰り広げられるのか、各チームの奮闘を楽しみにしたい。

 

 

写真・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

 

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