月刊バスケットボール6月号

中学(U15)

2022.03.30

【B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2022】育成と強化のバランスに優れた名古屋DU15が連覇達成

 名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15(名古屋DU15)とライジングゼファーフクオカU15(福岡U15)の対戦となった決勝戦。連覇を狙う名古屋DU15は、伝統的にハードなディフェンスからの速攻を持ち味としているが、今年度のチームは昨年度より高さがないぶん「固いディフェンスからの日本一速い速攻をベースに、全員がリバウンドに飛び込むなどチーム力が高いのが特徴です。スタメンの5人だけでなくベンチの10人も含めた15人全員で戦うという気持ちが強いです」とキャプテン#7今西優斗。一方のフクオカU15はアメリカのIMGアカデミーにバスケ留学が決まっているエース#11内藤英俊を軸に、#23永善元希、#24久保響己と1対1に強い選手が揃っているのが強みだ。

 



 

 試合は、#11内藤の活躍に引っ張られてその他の選手も持ち味を発揮した福岡U15が前半を終え28‐21とリードする。しかし3Qになると、この決勝が4日間で7試合目となった福岡U15は疲労がピークに達し、オフェンスではシュートがこぼれることが多くなり、ディフェンスでは相手に走られるなどリズムが悪くなる。対する名古屋DU15は、リーグ戦の相手数が他グループより少なかったこと、決勝トーナメントでシードの場所に入っていたこともあり、この試合が5試合目。体力的にアドバンテージがあり、さらに後半になって相手エース#7内藤へのマークを厳しくしたことが功を奏し、3Q終了間際の#44天木のリング下からのシュートで35‐35に追い付く。

 

 

 

 そうして同点で迎えた4Q。流れを掴んだのは名古屋DU15で、#44天木のタップシュートや#8峯田倖成の2本の3Pシュート、#22二宮有志のリング下などでじりじりと差を広げていく。また、#若野瑛太がオフェンスでもディフェンスでもリバウンドをもぎ取り、名古屋DU15にリズムをもたらしたことも見逃せない。結局、名古屋DU15が59‐42と振り切って連覇を達成した。

 

 

 試合後、「大会を通して、一つ一つの試合を見ると完璧なゲームというのはありませんが、完璧ではないところを修正し、それを積み重ねてきた4日間でした。その結果、大会初日よりもパワーアップして決勝戦を迎えられたと思います」と振り返った名古屋DU15の末広朋也コーチ。その言葉のように、選手の成長を期しながら連覇という結果も手に入れたのは、偶然ではなく必然のようにも映る。このB.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIPには「B.LEAGUE U15チームの文化の構築と醸成、ならびに世界に通用する選手の輩出に向けた育成強化の礎を形成するための機会を提供する」という趣旨があるが、現時点で名古屋DU15がそれを体現しているトップチームであることは間違いないだろう。

 

【“B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2022 全試合配信”バスケットLIVE】

https://basketball.mb.softbank.jp/features/10047?utm_source=partner&utm_medium=basketball-zine&utm_campaign=023

 

取材・文/高木希武(月刊バスケットボール)

写真/山岡邦彦

※詳しい報道は4月25日発売の月刊バスケットボール6月号で!

 

[ads]

 



PICK UP