月刊バスケットボール5月号

【近畿インターハイ2015記者の目】チームを支える仕事人〜女子編〜

※インターハイ期間、現地で記者の感じたこと・見たことを編集部ブログでお伝えしていきます。   インターハイもいよいよ明日が最終日。決勝を残すのみとなった。 女子決勝は、4連覇を目指す桜花学園と初優勝を狙う岐阜女の東海対決に。   ここでこの2チームの今年度の対戦結果をおさらいしてみよう。   【2月】東海新人大会 桜花学園 66-54 岐阜女 【3月】全関西大会 岐阜女 61-54 桜花学園 【6月】東海大会 桜花学園 59-49 岐阜女   いずれも決勝戦で顔を合わせ、公式戦では2大会とも桜花が勝って優勝を果たしているが、広島で行われた交歓大会(全関西)では岐阜女が勝利している。 今年度、熱い火花を散らす両チーム。それだけに決勝戦は、接戦必至と予想される。   その大一番を前に女子も両チームの「仕事人」をここで紹介したい。 まず、8年ぶりの決勝進出の岐阜女からは、キャプテンの④村瀬久美ーー。

  今大会、1点差勝ちとなった3回戦(vs.開志国際)を始め、試合の勝負所では必ずシュートを沈める働き。安定感抜群のジャンプシュートをピシャっと決める働き「渋い!」の一言で、試合中は常にポーカーフェイスで黙々と役割を果たしている姿も、「仕事人」の雰囲気を醸し出していると言える。 そんな村瀬だが、今日の準決勝では得点は5得点のみに終わっている。   それもそのはず。対戦した昭和学院は⑧赤穂ひまわり(183cm)、⑤中村美羽(180cm)と2人の180cm越えセンターを擁しており、赤穂には182cmの⑦ディヤイ・ファトーがマークに付くが、中村には高さで不利となる172cmの村瀬が防御しないといけない状況にあったため、今日はディフェンスに重きを置いていたからだ。   結局、村瀬は中村を10得点に抑える働き。「ディフェンダーに徹してくれた」と、岐阜女の安江満夫コーチもこの働きを勝利のポイントの一つに挙げたほどだった。   そして4連覇を目指す桜花からは2年生の⑩粟津雪乃ーー。

  それこそ、⑧馬瓜ステファニーや④遠藤桐、またスーパールーキー⑮山本麻衣といったタレントが揃う桜花。もちろん、粟津も中学時代はJr.オールスターで活躍し、全中でも準優勝となるなど輝かしい成績の持ち主なのだが、岐阜女を破って優勝した6月の東海大会では、飛び込みリバウンドで何度も何度もチームの窮地を救うなど、こちらも献身的なプレイが光るのだ。   攻撃では、味方のドライブからの絶妙なタイミングで合わせてシュートを放つことが多く(それをまた確実に入れる!)、今日の準決勝(vs.明星学園)では16得点とチーム一のスコアをマークしている。   決してトリッキーなプレイから得点を奪うわけではないのだが、開いたスペースを逃さずにススッと入ってパスを受け、シュートを放つ当たりは、得点嗅覚に優れ、相手にとっては厄介な選手とも言えるだろう。   もちろん、決勝では出場する全選手が注目であることには変わりはないのだが、勝利のために役割に徹し、またそれをきちんとこなす「仕事人」の動きは、試合をさらに盛り上げるだろう。 (月刊バスケットボール編集部)

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