月刊バスケットボール5月号

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2022.03.14

八村 塁の母校ゴンザガ大は西地区第1シード - NCAAトーナメントの組み合わせが確定

 NCAAバスケットボールの毎春の恒例イベント、NCAAトーナメントの男子大会について組み合わせが決定した。出場するのは全米の32カンファレンスでチャンピオンシップを獲得した32チーム(オートマティック・ビッド)と、それ以外でNCAAの選考委員会から推薦を受けた36チーム(アットラージ)の全68チーム。“セレクション・サンデー”と呼ばれる組み合わせ発表が日本時間3月14日(北米時間13日)の日曜日に行われ、日本時間3月16日から4月5日まで(北米時間3月15日から4月4日まで)行われる同大会の全貌が以下のとおり明らかになっている。

 

 

 今大会の優勝候補筆頭の一つ、八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)の母校として知られるゴンザガ大は西地区第1シードとして出場する。ゴンザガ大はここまでの通算成績が26勝3敗(勝率.897)と好調で、3月7日付けのAP全米トップ25ランキングでも堂々1位に座している。昨年は決勝でベイラー大に敗れたが、今年こそ初の全米制覇を果たしそうな勢いがある。

 

 しかし全米ランキング1位が今大会でどこまでの意味を持つかは何とも言えない。その理由の一つは、今シーズンいっぱいで引退を表明しているマイク・シャシェフスキーHCが率いるデューク大が、同地区第2シードで組み込まれているからだ。ゴンザガ大とデューク大は、順調に勝ち進めばファイナルフォーと呼ばれる全米4強入りをかけた一戦で相まみえることになる。

 

 アトランティックコースト・カンファレンス(ACC)のレギュラーシーズンを制したデューク大の全米ランキング7位(3月7日付)という評価には、その発表直前の5日に行われたノースキャロライナ大(UNC)との対戦にデューク大が敗れたことが強く影響している。コーチKにとってキャリア最後のホームゲームとなったこの試合で、伝統的ライバルながらランクとしては下位だったUNCに敗れたデューク大は、前週の4位から3つランクを落としたのだ。

 

 コーチKはこの試合の後、「我々はシーズンの残りを心を込めて戦う必要があります。それを見届けてここを出ていくつもりです(We need to fight with all of our mind through the remainder of the season. Then, I will be ready to get the hell outta here.)」とチームの奮起を促すコメントをしていた。その後のチャンピオンシップでは決勝に進出しながら、上位を次々倒して勝ち上がってきたバージニア工科大の前に67-82で敗れた。この2つの黒星は、デューク大にとって強烈な発奮材料となるはずだ。それがどこまでチームを押し上げるか、またゴンザガ大との対戦が実現するなら両チームがどのように対抗しあうか、間違いなく全米の注目を集めるだろう。

 

 別地区に目を移すと、東地区で昨年の覇者ベイラー大がどんな戦いを見せるかも注目だ。同大は今年も、3月7日付け全米ランキング3位の強豪だ。また同地区では、前述のとおりACCチャンピオンシップで優勝したバージニア工科大も虎視眈々とアップセットをねらっている。同大は第11シードで、この地区における上位ではないが、どこにも負けない勢いを持って大会に臨んでくる。

 

 南地区、中西部地区の第1シードはそれぞれ全米ランキング2位のアリゾナ大と同6位のカンザス大。中西部地区の第2シードには、今年のNBAドラフトで目玉の一人とされる211cmのビッグマン、ジャバリ・スミスJr.を擁するオーバーン大もいる。これらのチームには、いずれも全米の頂点をねらえる可能性がありそうだ。

 

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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