月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.02.20

2022 NBAライジングスターズ・チャレンジはケイド・カニングハム(ピストンズ)の活躍でチーム・バリーが勝利

 日本時間2月19日(北米時間)に始まったNBAオールスター・ウイークエンド2022は、初日に若手スターたちが4チームに分かれて対戦する2022 NBAライジングスターズ・チャレンジが行われ、1960年代から1970年代にかけて活躍したレジェンド、リック・バリー氏がヘッドコーチを務めたチーム・バリーが、昨年のNBAドラフト全体1位指名プレーヤー、ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)のクラッチパフォーマンスで優勝した。カニングハムはMVPに輝いた。

 


2021NBAドラフト全体1位のケイド・カニングハムがライジングスターズ・チャレンジのMVPに輝いた


これまでのライジングスターズ・チャレンジは、ルーキー対2年目のプレーヤー、あるいはアメリカ国籍プレーヤー対外国籍プレーヤーといった1試合のフォーマットだったが、今回はリック・バリー、アイザイア・トーマス、ゲイリー・ペイトン、ジェームズ・ウォージーというNBAレジェンド4人がヘッドコーチとして率いる7人構成の4チームがノックアウト方式のトーナメントで王座を競う形。出場プレーヤーはNBAのルーキーと2年目のプレーヤーに加えて、GリーグでプレーするGリーグ・イグナイト所属のプレーヤーも含まれた。

 


試合は時間の規定ではなくターゲットスコアに速く到達した方が勝利するという形式で、準決勝は50点先取、決勝戦は25点先取。結果は以下のとおりとなった。

 

☆準決勝
チーム・アイザイア50-49チーム・ウォージー
チーム・バリー50-48チーム・ペイトン

☆決勝
チーム・アイザイア20-25チーム・バリー


MVPに輝いたカニングハムは、25点先取の決勝戦で5得点、2リバウンド、3アシストを記録し、チームの全得点の三分の一に絡む大活躍。勝利を決めた25得点目のフリースローを含めチームの最後の4得点を生み出すクラッチぶりが光った。カニングハムは試合後、「勝てるチームだと思ってやっていました。その実力を証明するにはチャンピオンシップを勝ち取らなければなければいけなかったので、そうできてうれしいです(I feel like we had the team to do it, and we had to come out and prove ourselves and get the 'ship. I'm glad we did that)」と喜びを語った。

 


オールスターは“花試合”とはいえ、カニングハムが語ったとおりチーム・バリーは本気で勝ちにいっていた。どのチームもド派手なダンクやオープンコートでのランニングプレーが多かったのは確かだが、準決勝2試合も含め、終盤の緊迫感はまるでプレーオフのような雰囲気を感じさせた。


決勝のベンチでのバリーHCの表情も真剣そのもの。プレーヤーたちに語り掛ける姿も闘志を感じさせたし、それに応えるライジングスターたちの表情も、偉大な功績を残したレジェンドのチームでビシっと仕事をしてやろうという意欲があふれていた。敗れたチーム・アイザイアのトーマスHCは、終盤審判の判定に異論を唱えて食い下がるシーンもあった。その苦々しい笑顔にも、何としても勝ちたいという執念が感じられた。


バリーHCは、「皆のことを誇らしく思います。素晴らし―プレーでしたね。しっかりバスケットボールをプレーしてくれたのは素晴らしいことです。この競技のあるべき姿を見せてくれたと思います(I'm proud of these guys, cause every one of them did a good job. It was so great to see them playing basketball. They really went out and played the way the game should be played)」とプレーヤーたちの奮闘を称賛していた。

 


☆2022 NBAライジングスターズ・チャレンジ出場プレーヤー

■チーム・バリー

ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)
ダイソン・ダニエルズ(Gリーグ・イグナイト)
エバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)
アイザック・オコーロ(クリーブランド・キャバリアーズ)
アルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)
ジェイショーン・テイト(ヒューストン・ロケッツ)
フランツ・バグナー(オーランド・マジック)


■チーム・アイザイア

プレシャス・アチューワ(トロント・ラプターズ)
デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ)
サディック・ベイ(デトロイト・ピストンズ)
アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
タイリース・ハリバートン(サクラメント・キングス)
ジェイデン・ハーディー(Gリーグ・イグナイト )
アイザイア・スチュワート(デトロイト・ピストンズ)

 

■チーム・ペイトン

ラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)
スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)
アヨ・ドスンム(シカゴ・ブルズ)
クリス・ドゥアルテ(インディアナ・ペイサーズ) ※欠場
ジョナサン・クミンガ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)※ドゥアルテの代替選出
スクート・ヘンダーソン(Gリーグ・イグナイト)
ジェイデン・マクダニエルズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
デイビオン・ミッチェル(サクラメント・キングス)※欠場
ボーンズ・ハイランド(デンバー・ナゲッツ)※ミッチェルの代替選出


■チーム・ウォージー

コール・アンソニー(オーランド・マジック)
マージョン・ボウチャンプ(Gリーグ・イグナイト)
ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)
ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)
ハーバート・ジョーンズ(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
タイリース・マクシー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
ジェイレン・サグス(オーランド・マジック)

 

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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