月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.02.18

五十嵐圭、“スピードスター”が誕生した大学時代【My life navigator #5】

©︎B.LEAGUE

 

 BS11で放送中のBリーグ情報番組『マイナビBe a booster!』と『月刊バスケットボール』のコラボ企画「My life navigator supported by マイナビ」がスタート!

 

 Bリーグで活躍する選手を対象に、その選手のキャリアにおけるターニングポイントを紹介する企画で、その中でカギを握るのは彼らに道を示した“ナビゲーター”の存在だ。第5回は群馬クレインサンダーズの五十嵐圭と、彼の中央大時代の監督・櫻井康彦氏とのストーリーをお届け。

 

 ここではその一部を紹介する!

 

■陸上をやっていた小学生時代、冬場にバスケをプレー 

 

 41歳にして群馬の正PGとして大活躍する五十嵐。実は小学生の頃は陸上をやっていて、短距離の選手だったそうだ。ただ、雪国の新潟県出身ということもあって「秋冬は陸上部の大会や試合があまりなかったんです。その時期、体育館のステージや空いているスペースを借りて練習していたのですが、そこで『今の時期、あまり活動がないのであれば、人数が少ないバスケ部を手伝ってくれないか』と言われたのがきっかけです」と、競技に出会うとすぐに魅了された。

 

「実際にバスケットをやってみると、シュートが入ればみんなで喜んだり、一つ一つのプレーで盛り上がるようなチームスポーツの楽しさを感じました。当時は体育の授業でバスケットやポートボールもあったので、もともと面白いなと思っていたのですが、授業よりも本格的にバスケットを習ったことでより楽しさを感じました」

 

 そのままバスケットの魅力に取りつかれ、高校は福井の名門・北陸高へ進学することとなった。

 

北陸高時代

 

■将来を見据えてPGにコンバートするも…

 

 北陸高では主にシューティングガードで点取り屋として活躍したが、3年時になるとPGへとポジションアップ。「当時の津田洋道監督が、大学でやるのであれば、と自然とPGをするように仕向けてくれました。僕自身もこの先もやっていくのであればPGでなければ難しいと感じていましたし、津田監督から直接PGをしなければというようなことを言われたわけではないのですが、そういう感じでしたね」と五十嵐。

 

 ただ、もともとが点取り屋であり、かつ「PGはパス回しをしっかりとして堅実にゲームをコントロールしていかないといけない」とイメージしていた当時の五十嵐は、なかなかその役割に順応することができず、大学1年生くらいまでは「本当にこれでいいのか」と、葛藤と戦う日々だったのだ。

 

写真中央が当時の櫻井監督/写真提供:中央大学バスケットボール部

 

櫻井康彦監督との出会い「スピードというのは教えることができない」

 

 そんな五十嵐の転機となったのが、2年時に新監督として就任した櫻井康彦氏との出会いだ。点を取るよりもチームメイトを生かしてゲームをコントロールしなければならない、しかし…。そうした五十嵐の葛藤に気付いていた櫻井氏は、こんな言葉をかけたという。

 

「圭はスピードでやっていったらいいと思う。なぜならスピードというのは教えることができないから。バスケットにおける圭のスピードは必ず武器になるから、それを武器にやっていったらどうだ」

 

 五十嵐自身、「周りから『圭はスピードがあるよね』とかは多少言われてはいて、陸上をやっていた経験もあったので足の速さには少し自信はあったんです。でも、バスケットの中でのスピードについてはあまり意識していなくて。櫻井さんにその言葉をかけてもらったときに『自分にはスピードがあるんだ』と改めて自覚しました」と、この言葉で自身の長所を再確認。

 

「実際、スピードを武器にしようと思ってからはプレーしやすくなりましたし、それからはとにかくボールを持ったらプッシュして行けるところまで行って、そこから次の展開を考えようと意識するようになったんです。自分の中で『PGはこうだ』というものを決めずに、『自分自身が新しいPG像になってもいいのかな』『こういうPGがいてもいいのかな』と思ってやり始めていましたね」

 

 

中央大時代の五十嵐。2年時にはインカレ準優勝を経験した

 

 そこから先の五十嵐の活躍はお察しのとおり。全盛期には日本代表に選ばれ、2006年には世界選手権メンバーの一員として日の丸を背負って戦った。現在、41歳ながら時折見せるスピード感あるプレーと、経験に裏打ちされたクレバーなプレーで今なおファンを魅了し続けている。

 

 そんな五十嵐は自身の“ナビゲーター”である櫻井氏にこんなメッセージを残した。

 

「櫻井さん、ご無沙汰しています。久しぶりに櫻井さんのメッセージをいただいて、残りの現役生活でいろいろなことを考えながらプレーしていきたい、自分のできることをもっと考えながらやっていきたいと思いました。学生時代に櫻井さんからかけていただいた言葉は、プロになった今でも大切にしているものです。櫻井さんからのアドバイスのおかげで今の自分があると思っています。それと…久しぶりにお顔を拝見しましたが、老けましたね(笑)。僕も年を重ねたので老けてきてはいるんですけど、まだまだ若い選手に負けないようにプレーしていきたいと思います。またお会いできたときには学生時代の話や近況報告など、いろいろな話ができればと思っています。お体に気をつけてお過ごしください。ありがとうございました」

 

『マイナビBe a booster! Bリーグウィークリーハイライト』はBS11で毎週木曜日よる10:00〜10:30にてオンエア。

『My Life Navigator』の詳しい番組情報は、番組HP公式Twitterをチェック!

#bs11bab

 

(月刊バスケットボール)



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