月刊バスケットボール5月号

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2022.02.17

安間志織17得点、6リバウンド、7アシスト、5スティール - 攻守の活躍実らずアイスフォーゲルは逆転延長負け

 こんなことがあるのかというあり得ない終盤の展開。安間志織にとってブンデスリーガ22試合目となる日本時間2月17日未明(ドイツ時間16日夜)のアイスフォーゲルUSCフライブルク対ジロライブ・パンサーズ・オスナブリュック戦は、安間自身の活躍もありアイスフォーゲルがレギュレーション終了直前までリードしたが、延長の末逆転で86-94の敗北という結果となった。


この試合にスターターとして出場した安間は序盤から攻守に積極的な動きを見せ、17得点、6リバウンド、7アシスト、5スティールを記録した。第1Qにファウルを2つ吹かれ、特に前半ベンチに下がった時間帯が長かったが、第4Q終了までは軽快なドリブルドライブでたびたびマッチアップ相手を破ってフィニッシュに持ち込み、キックアウトで味方にチャンスを作った。


35-44と9点のビハインドで始まった後半には、第3Q開始早々に突き放しにかかる相手の流れを止める2連続ゴールを皮切りに、ブザービーターとなる終了間際のドライビング・レイアップまで、このクォーターだけで9得点、1アシスト、2スティールの活躍で、チームの27-8のランに貢献。アイスフォーゲルは62-52と10点差のリードを築いて第4Qに突入し、レギュレーションの残り5分12秒に安間のアシストでフォワードのクリスタ・リードが3Pショットを決めた時点で、73-60とこの日最大の13点差をつけて優位に立っていた。

 

 ところがここから約4分間でパンサーズが11-2のランを展開し、劣勢を跳ね返す。残り1分17秒の時点でスコアは75-74のアイスフォーゲル1点リードという状況に変わっていた。

 


レギュレーションの終盤は混とんとした状況となった。残り43秒、アイスフォーゲルはフォワードのアナ・ラディッチがゴール下でリバース・レイアップを決めたかと思われたが、審判はトラベリングをコール。75-74のまま迎えた残り23秒、安間がディフェンスでこぼれ球を拾ってこの試合で4本目となるスティールを記録し、ポゼッションを奪い返す。安間はそのままドリブルでボールをキープ。相手が勝負をかけて詰めてきたところをカウンターアタックで抜き、ドライブからキックアウトと良い形を作った。ここからさらにスイングされたボールをリードが終了間際にフィールドゴールにつなげ、77-74。残り時間は1秒あったが、アイスフォーゲルの勝利が濃厚な状況を迎える。


しかしタイムアウト明け、相手ゴールに向かって左サイドラインからのインバウンドプレーで、スローインを防ごうとしたリナ・ゾンタークがテクニカルファウルを吹かれてしまう。プレーを見る限り、何が問題だったか判別できないノン・コンタクトのプレーで、乱暴な口論や危険な状況でもないプレーだったが、いずれにしても何らかの原因でテクニカルが吹かれ、パンサーズにフリースロー1本が与えられた。これをサマンサ・ジャン・ファーリングに決められて77-75。続くポゼッションでもファーリングがフリースローライン周辺からブザービーターとなるターンアラウンド・ジャンパーを決め、77-77…。信じられない同点劇で、アイスフォーゲルは延長に持ち込まれてしまった。


最後の5分間は、安間のフリースローでアイスフォーゲルが先制したが、勢いを取り戻したパンサーズにその後主導権を奪われ、立て直すことができず8点差をつけられ敗北となった。


何とも悔しい敗戦だが、切り替えて次に臨むのみだ。アイスフィーゲルは連勝が6で止まり通算成績17勝5敗となったが、順位としては単独2位を維持している。安間はここまで18.8得点、5.3リバウンド、6.5アシスト、3.0スティールのアベレージ。次戦は日本時間2月21日(月=ドイツ時間20日)のアイグナー・エンジェルズ・ネルトリンゲンとの一戦。現在9勝10敗で9位のチームだが、アイスフォーゲルは前半戦のアウェイでの対戦で77-79と敗れている。安間はこの試合で23得点、9リバウンド、4アシスト、3スティールと大車輪の活躍をしており、ホームでリベンジを期する戦いとなる。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

 



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