月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.02.15

渡邊雄太が2試合ぶり出場で3得点、2リバウンド - ラプターズは2連敗

 トロント・ラプターズの渡邊雄太が、日本時間2月15日(北米時間14日)にニューオリンズのスムージーキング・アリーナで行われたニューオリンズ・ペリカンズとの試合で、2試合ぶりに出場を果たした。試合はペリカンズが120-90で勝利し、ラプターズは二日前の対デンバー・ナゲッツ戦に続く連敗。それまでの8連勝でプレーオフ直行圏内のイースタンカンファレンス6位に上昇していたが、現在は通算成績31勝25敗で7位に順位を落としている。

 

 


渡邊はこの試合で第4Qの最後の5分13秒間プレーし、フリースローによる3得点と2リバウンド、1ブロックを記録した。リバウンドをつかんだのは4試合ぶり(出場機会がなかった6試合を含めると10試合ぶり)。ディフェンスでのマッチアップへの対応でも体が良く動いていた。オフェンスではフィールドゴール成功こそなかったが、ドリブルドライブでペイントにアタックするアグレッシブな姿勢がフリースロー獲得につながった。


渡邊はこの試合を終えた時点で今シーズン25試合に出場して平均4.9得点、2.9リバウンド、0.6アシスト、0.3スティール、0.5ブロックというアベレージ。新型コロナウイルス陽性判定により戦列を離れて以降調子を落とし、1月下旬から5試合連続で出場機会を得られなかったが、日本時間2月8日(北米時間7日)の対シャーロット・ホーネッツ戦以降の直近5試合中4試合でコートに立った。それと同時に、徐々にだが調子が上向いていることも感じられる。

 


ラプターズはオールスター・ブレイク前にあと1試合、日本時間2月17日(木)にミネアポリスのターゲット・センターで行われるミネソタ・ティンバーウルブズとのアウェイゲームを残している。ウルブズは15日時点でウエスタンカンファレンス7位(30勝27敗)。順位的に両カンファレンスのプレーオフ直行圏内を目指す位置にあるチーム同士の対戦。またウルブズのクリス・フィンチHCは昨シーズン半ばまでラプターズでニック・ナースHCのアシスタントだった人物だ。ナースHCもフィンチHCもオフェンスでは“ネクストアクション”と呼ばれる同じコンセプトをベースにしており、手の内を知る者同士、お互いどんな戦い方をするか興味深い。


またこの試合では、渡邊に出場機会があるかどうかも注目ポイントだ。昨シーズンの対戦では、渡邊はウルブズのシューティングガード、アンソニー・エドワーズの強烈なトマホーク・ダンクで“ポスタライズ”され、実際はヘルプディフェンスにおける勇敢なブロックのチャレンジだったにもかかわらず、一部の人々から評価されず逆に汚名を着せられた形にさえなった。しかし今や“ダンクブロック”は渡邊のシグニチャープレー。エドワーズに倍返しの“ポスタライズ・ブロック”を食らわせるシーンもあるかもしれない。そんな筋書き通りにことが進むかどうかは別にしても、おもしろい見どころをいくつも提供する一戦ではある。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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