月刊バスケットボール5月号

FIBA女子ワールドカップ2022予選、日本代表最終日黒星も本戦出場決定

(FIBA.WWCQT.OSAKA)


おおきにアリーナ舞洲(大阪府大阪市)で行われていたFIBA女子ワールドカップ2022予選が2月13日に閉幕。最終戦でボスニア・ヘルツェゴビナ代表(以下BIH)と対戦した日本代表は、前半46-38とリードして折り返しながら、後半BIHに巻き返され、82-87で敗れた。

 

 日本代表は前半、最大の武器である3Pショットが好調で、最初の20分間だけで9本中5本を沈めて15得点を稼いだ林 咲希(ENEOSサンフラワーズ=最終的に12本中7本を決めて21得点)を中心に、チームとしてもハーフタイムまでに24本中12本成功という高確率で優位に立った。しかしBIHは、主軸のジョンケル・ジョーンズが最終的に36得点、23リバウンド、4アシスト、2ブロックを記録するモンスターゲームを披露。特に後半は、ローポストからのターンアラウンド・フェイドアウェイ・ジャンパーでの得点や、ポストアップからのスキップパスで味方の3Pショットやドライブをおぜん立てするプレーで、巻き返しの原動力となった。

 

 大黒柱の安定した貢献に、BIHのシューター陣も応えた。前半12本中3本と低調だったBIHの3Pショットは、後半はニコリーナ・バビッチを中心に14本中8本成功と大きく上昇。特に終盤、ジョーンズを中心によいリズムでショットを放ち、得点を重ねた。日本代表はBIHに傾いた流れを断ち切ることができず、恩塚 亨HCの体制になってからは初めての黒星を喫することとなった。


この結果、両チームとカナダ代表の3チームがいずれも1勝1敗で並んだが、ベラルーシ代表の出場辞退があった中で予定された試合をすべて終え、3チームがすべて本戦への出場権を正式に獲得した。日本代表は悔しい終わり方にはなったが、本戦で再び対戦する可能性のある強豪を相手に貴重な経験を積み、次のステップに進んでいくこととなる。


大会閉幕とともに発表された今大会のオールスター・ファイブには、日本代表からも赤穂ひまわり(デンソーアイリス)、馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)の2人が選ばれた。そのほかの3人はブリジット・カールトン、ナタリー・アチョンワ(ともにカナダ代表)、そしてジョーンズ(BIH)。大会のMVPにはこの中からジョーンズが選ばれている。

 


赤穂ひまわりは今大会で3Pショットが7本中6本成功。攻守に貢献しオールスター・ファイブ入りを果たした(FIBA.WWCQT.OSAKA)

 

平均13.0得点、5.5リバウンド、1.5スティールと攻守で存在感を示した馬瓜ステファニーも大会のオールスターファイブ入り(FIBA.WWCQT.OSAKA)

 

大会MVPのジョンケル・ジョーンズは2試合で平均25.5得点、4.0リバウンド、4.5アシストを記録した(FIBA.WWCQT.OSAKA)

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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