「最高の12人」女子日本代表恩塚 亨HC - FIBA女子ワールドカップ2022予選開幕前日会見
2月9日に行われたFIBA女子ワールドカップ2022予選開幕前日会見に、日本代表の恩塚 亨HCとキャプテンを務める林 咲希(ENEOSサンフラワーズ)が登壇し、今大会に向けた抱負を語った。
恩塚HCは公式大会で日本代表を率いるのが昨秋のFIBA女子アジアカップ2021に続く2度目。今回は初めてアジア圏以外のチームとの対戦となる。
2月10日の初戦で対戦するのはカナダ代表。その印象を恩塚HCは「スピードとパワーに長けたチームでアメリカでプレーしている選手が多く、経験がある選手も多い。なおかつチームで一体感を持って戦うチームで、非常にタフなディフェンスを警戒しています。新しいヘッドコーチのスタイルもデイフェンス・マインドが強いので、そこに対して足を止めずに高いアジリティーを発揮し続けて凌駕がしたいと考えています」と話した。強敵に対する準備にも自信を持っている様子で、対応策についての質問にも「いろんな手を考えています。フルコートだったりハーフコートだったり、いくつかの戦術を準備してそれを高い遂行力で発揮できるように準備しています」と普段と変わらない落ち着いた笑顔で答えていた。
開幕前日会見で質問に答える恩塚 亨HCと林 咲希(FIBA.WWCQT.OSAKA)
ボスニア・ヘルツェゴビナ代表には、2021年のWNBAでMVPに輝いたジョンケル・ジョーンズという中心プレーヤーがいる。ジョーンズに関する警戒心は強化合宿時の会見でも感じさせていたが、チームとしてのボスニア・ヘルツェゴビナ代表については、ほかのメンバーもスペシャリストぞろいで「それぞれの選手が自分の役割をしっかり認識してチームで遂行力を発揮してくる」というのが恩塚HCの分析だ。「シューターは良いスペースをとり、ジョーンズ選手に引き寄せられたところにシュートを打ってきたり、あるいはできたズレをスラッシュしてくる。それぞれがスペシャリストとして役割を果たしてくるので、そこに対して準備してきました」。Wリーグの最中で、パンデミックへの対応もある中だが、「最高の12人を選びました」と胸を張った。
日本代表の開幕前日会見映像(FIBA.WWCQT.OSAKA)
恩塚HCとともに登壇した林は、東京2020オリンピックでの活躍以前から、シューターとして世界に警戒されてきた存在だ。相手のマークもきつくなることも十分想定されるが、それでも持ち味を発揮できるかどうかについて、「自信は、楽しめばあるかなという感じです。今まで日数少ないですけど、チームのみんなで練習してきたので、それをしっかり遂行してやり切れば自分のタイミングで打てる部分も出てくると思いますし、自分だけが決めるという形ではないので」と笑顔で答えた。
今回は幅を広げた新たな姿を見せることにも意欲的。「今までは3Pショットだけでやってきたんですけど、今回はドライブとかパスとか自分でしっかり練習してきたので、それが出せるように頑張っていきたいです」と話している。これまでよりもオールラウンドなプレーヤーとして、どのように貢献をもたらすかは今大会の注目ポイントの一つ。「やっぱり一番は打てるところは自信を持って打って、みんなのためにしっかり戦っていきたいなと思います」と最大の武器である3Pショットを生かしてインパクトのある貢献をねっている。
日本代表は10日にカナダ代表と、13日にボスニア・ヘルツェゴビナ代表と対戦する予定だ。
取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)