月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.01.25

渡邊雄太がGリーグ公式戦に出場、ダブルダブルでラプターズ905の勝利に貢献

 日本時間1月25日未明(北米時間24日午後)にNBA Gリーグのラプターズ905への加入が発表された渡邊雄太が、同日のウェスチェスター・ニックス(ニューヨーク・ニックスのGリーグチーム)との試合にスターターとして出場した。渡邊は24得点、10リバウンドのダブルダブルを記録し、112-105の勝利に貢献。ニック・ナースHCが望んでいた3Pショットのタッチ向上についても、積極的なアテンプトで10本中4本成功の成功率40.0%と結果を出した。フィールドゴール全体でも18本中8本成功の44.4%とまずまずの数字だ。

 

 


3Pショットに関しては、第1Q開始1分過ぎにこの試合における1本目のアテンプトが成功。後半は4本中3本を決め良いリズムを感じさせ、第4Q残り1分10秒過ぎには右サイドのペリメーターからオフバランスの難しい一撃を、バックボードを使って決めてみせた。


この日最後の得点は、ダラノ・バントンのドリブルドライブにベースラインカットで合わせ、空中でバントンからのアシストを受けての豪快なアリウープダンク。持ち味のディフェンス面でも、ブロックショット4本を記録する活躍ぶりで、NBAの舞台での復調に向け最高の形で試合を終えることができた。


渡邊のGリーグ行きは日本では早朝からファンを驚かせたことに違いないが、試合中にコートサイド・レポーターが明かしたところでは、今回のGリーグ行きは渡邊自身がプレーする機会を求めて志願したことだったそうだ。内容を見る限り、それは良い判断だったと思われる。


この試合には、渡邊とバントンのほかラプターズのメンバーではマラカイ・フリンも出場しており、またジャスティン・シャンペニーの姿もベンチにあった(ユニフォームは未着用)。実は第3Q終了時点では渡邊が19得点でチームハイだったが、バントンが第4Qだけで23得点を奪う爆発を見せ、最終的に得点を31まで伸ばして試合後インタビューの栄誉を持っていった。フリンも13得点、6リバウンド、2アシスト。やはりNBAでプレーしている経験は、Gリーグで大きくモノをいうのだということが感じさせる3人の活躍だ。


渡邊の活躍を大学時代から追いかけていたファンには、ニックス側にキーサン・サベージの名前が登録され、10得点、6リバウンドを記録していたことも、懐かしさを感じせたかもしれない。サベージはジョージ・ワシントン大学で渡邊がフレッシュマンだったときの上級生。渡邊が2年生に上がる時点で、バトラー大学に転入している。ラプターズ905でプレーした経歴もある、渡邊とゆかりのあるプレーヤーの一人だ。

 

 

 総じて、さまざまな刺激を受けながら結果を残してラプターズに戻ることができる渡邊。次のトロント・ラプターズでの試合(日本時間翌26日午前9時[北米時間25日午後7時]ティップオフの対シャーロット・ホーネッツ戦)で、ナースHCがどんな起用を見せるか、渡邊自身がパフォーマンスで応えるか、目が離せなくなってきた。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP