月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.01.11

渡邊雄太(ラプターズ)がインジャリー・レポートから外れる - 安全衛生プロトコルを離脱し日本時間1.12(水)vsサンズ出場可能に

 新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル適用下となり、直近4試合を欠場していた渡邊雄太が、日本時間1月12日(北米時間11日)のフェニックス・サンズとの試合で出場可能なステイタスに戻った。

 

 


渡邊は日本時間5日に行われた対サンアントニオ・スパーズ戦当日、ティップオフ6時間半前に発表されたインジャリー・レポートから、安全衛生プロトコル適用のため“Out(欠場)”となっていた。同レポートの記載を外れたのは、それから6日後の日本時間11日早朝発表(北米東部時間10日14時30分付)のレポートから。


ラプターズは日本時間の元日(北米時間の大晦日)に行われたロサンゼルス・クリッパーズとの一戦から、欠場続きだったロスターの核がほぼ戦列に戻った状態。そこから現在まで6連勝と快進撃をみせている。ちょうどそのクリッパーズ戦から復帰したフレッド・バンブリートは特に絶好調で、その間のアベレージが平均31.2得点(フィールドゴール成功率47.0%、3P成功率44.3%、フリースロー成功率97.0%)、4.7リバウンド、6.7アシスト、1.8スティール、アシスト/ターンオーバー比率が6.7という顕著な貢献ぶり。日本時間11日(北米時間10日)発表のイースタンカンファレンス・週間最優秀プレーヤーにも輝いた。

 

 昨シーズンNBAファイナルに進出したサンズはここまで、ゴールデンステイト・ウォリアーズと並ぶリーグトップの30勝9敗(直接対決で1勝2敗と負け越しているためウエストの2位 )という成績を収めている。渡邊の復帰戦は、20勝17敗でイースタンカンファレンス7位からさらに上位進出をねらうラプターズの今後を占う試金石ともなりそうな大事な試合だ。ラプターズはこの試合で、ルーキーのスコッティ・バーンズ(右ヒザの痛み)とペリメーターからの得点源の一人であるギャリ―・トレントJr.(左足首の腫れ)のステイタスが「Questionable(疑わしい状態)」とされている(サンズ側はダリオ・サリッチら6人が欠場の見込み)。

 


渡邊自身は今シーズン出場した14試合で平均7.6得点(フィールドゴール成功率41.3%、3P成功率38.0%、フリースロー成功率54.5%)、4.3リバウンド、1.1アシスト、0.4スティール、0.6ブロックというアベレージ。開幕からの長期離脱の影響がシューティングに現れていることは否めないものの、得点、リバウンド、アシスト、ブロックはすべてキャリアハイだ。また、離脱前の直近7試合に限ると得点とリバウンドのダブルダブルが2回(そのうち一度はキャリアハイの26得点と13リバウンドを同時に記録)あり、アベレージも9.9得点、5.7リバウンド、1.3アシスト、0.3スティール、0.7ブロックと、欠場が多発してメンバー不足の期間にいっそうの奮闘ぶりが感じられるスタッツを残している。

 

 今シーズンはシックススマン的な役割でほぼ定着していた渡邊は、ベンチからスタートする公算が強い。バンブリートや、同じくオールスターレベルの活躍を見せているパスカル・シアカムらスターターが生み出す流れを、さらに勢いづけるハッスルを期待できそうだが、ニック・ナースHCがどんな形で起用するか、注目される。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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