月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.01.09

八村 塁戦列復帰あるか!? 1.10対マジック戦ティップオフ半日前のステイタスは「Questionable」

 2021-22シーズンの長期欠場が続く八村 塁が安全衛生プロトコルを脱したことが明らかになった日本時間1月6日以降、北米メディアのスポーツ関連サイトでは八村の戦列復帰が間近であることを連日報じている。

 

 

 ファンの期待が高まる中、ウェス・アンセルドJr.HCは、同8日のシカゴ・ブルズとのアウェイゲーム前に行われた会見で、新たに戦列に戻るプレーヤーの有無を記者から尋ねられた際、「トレズ(モントレズ・ハレル)は待たなければいけない状態で、日曜日(北米時間9日=日本時間10日[月・祝]、アウェイでの対オーランド・マジック戦)に出場可能になってくれたらと思っています。彼のほかにルイも出場可能かもしれません。でもまだ宙に浮いた状態です(So, we’ll just have to wait on Trez (Montrezl Harrel) hopefully will be available Sunday. He and Rui maybe available as well. But still up in the air)」と答えた。


さらに、マジックとの試合までに八村がチームに合流し、プレーする可能性を問われると、アンセルドJr.HCは「もしかしたら。でも待つしかありません(It could be. But we’ll just wait and see)」と答えている。八村はシカゴへの遠征には同行していなかったが、最速ならばこのマジックとの一戦が、八村の復帰初戦になる可能性が否定されていない状態だ。八村がコンディション的にも良好との認識も、アンセルドJr.HCは明かしている。

 

ブルズとの試合前の会見でのアンセルドJr.HC

 


ステイタスとしては、北米東部時間の試合当日早朝6時30分付け(ティップオフ11時間30分前)のインジャリーレポートが「Questionable(疑わしい状態)」で、理由としては「Return to Competition Reconditioning(競技復帰へのコンディション再調整)」となっている。「Available(出場可能)」より一段階可能性が低いとされる「Probable(確からしい)」よりも一段階低い状態を示す表記だ。ただ、指揮官がコンディションを良好と捉えているので、その可能性を若干高めに見ても良いようにも思える。


八村側としてほぼ準備ができた状態で、試合会場にも同行するとなれば、あとはいかに出場時間を見出すかという問題だけのように思われる。そこでからんでくる要素は、チーム成績やローテーションの問題の方かもしれない。


今シーズンのウィザーズは、開幕からの20試合を13勝7敗と好スタートを切ったが、その後直近の対ブルズ戦までの19試合は6勝13敗とスローダウンしている。プレーオフ進出に向け勝利が欲しい状況でありながら、パンデミックの影響でメンバーが不安定だったことも影響した。さまざまなテストはできるだけ早く終えて後半戦に臨みたいところなのは事実だろう。


ローテーション的には、カイル・クーズマやデニ・アブディヤらと時間をわけ合うのではないかと思われる。両者のうち特に、今シーズン出場した37試合すべてでスターターを務めているクーズマが、直近8試合で平均23.4得点、10.4リバウンドを記録し、ダブルダブルを6回達成と絶好調なことを思うと、しばらくは八村のスターター起用はなさそうだ(筆者の知る限り否定はされていないし、シーズン開幕前にはトミー・シェパード社長兼GM[当時はGM]が八村の役割は変わらないとはなしていたが)。クーズマはまた、第4Qに非常に勝負強いプレーを見せているので、試合の初めと終わりをクーズマに託すというのが最も想像しやすい。

 

 

 そうなると当初は、出場してもベンチからで限定的な時間と見るのが順当だろう。実際どうなるかはわからないが、その場合にはそうした期間がどれだけ続くかも気にかかる。ロスターの強みを最大化するローテーションを見出すにも、そう長く時間をかけたくないと思われる。


…などと考えれば、短い時間でもオーランドで出場する可能性はそう低くはないのではないだろうか。とにかく日本時間10日午前8時に始まるオーランドでの一戦。これを期待して見るしかない。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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