月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.12.29

渡邊雄太(ラプターズ)が3試合連続2ケタ得点、右足痛めヒヤリ

 

 渡邊雄太(トロント・ラプターズ)が、日本時間12月29日(北米時間28日)に行われたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとの試合で2日前の対クリーブランド・キャバリアーズ戦に続いてスターターで出場。10得点、4リバウンド、2アシストを記録した。

 

 この試合での渡邊はシューティング・タッチがよく、フィールドゴールは6本中4本を成功、そのうち3Pショットも3本中2本を成功させた。相手のビッグセンター、ジョエル・エンビードに対するディフェンスで第3Q残り8分5秒にテクニカルファウルを取られるなど、必ずしもすべてが順調ではなかったが、普段どおりのハッスルで力になっていた。

 

 試合はシクサーズが112-109で勝利している。

 

 

 ラプターズはこの試合で、新型コロナウイルス感染対策の安全衛生プロトコル適用下となっていたパスカル・シアカム、ギャリー・トレントJr、マラカイ・フリンの3人が戦列に復帰。しかしレギュラーロスターの人数が増えても、ニック・ナースHCは渡邊をスターターに残した。前試合で37分10秒プレーし、出場時間のキャリアハイを更新したばかりの渡邊は、この試合でもそれに次ぐキャリアで2番目に長い31分29秒にわたってプレーした。

 

 第3Qにはヒヤリとする場面もあった。残り4分43秒、ゴール下のディフェンスでジョエル・エンビードと空中で接触し、着地時に右足を痛めるアクシデントに見舞われ一時ロッカールームに下がったのだ。しかしこのクォーター終了間際にコートに復帰。その後のプレーを見る限りは深刻な状態ではなさそうだ。

 

 ラプターズの次戦は、日本時間の2022年1月1日(北米時間2021年12月31日)にホームのスコシアバンク・アリーナで行われる対ロサンゼルス・クリッパーズ戦で、その2日後の対ニューヨーク・ニックス戦もホームで行われる。コンディションをチェックしながらコントロールしやすいタイミングと言えるかもしれない。


試合後会見でナースHCは「ちょっと強くぶつけたみたいですね」と話し、「戻ってプレーすることができて良かったです(He did take a knock there. Good news is he came back you know and played after that.)」と胸をなでおろしていた。 具体的な故障名は出てこなかったが、「やっちゃったときにものすごく痛いヤツ(it’s just one of those things that’s pretty painful, probably really painful when it happens) 」と言い表した。

 

試合後会見でのナースHCは、この日も渡邊の活躍を高く評価していた

 

 渡邊の出来についてもナースHCは高評価をつけていた。「明日は練習でもあまりできないかもしれませんが、今夜は戻ってプレーできましたし、またも堅実な働きぶりでした。良い兆候だと思っています(I‘m sure it will be sore tomorrow. We’ll see how it goes. He probably won’t able to do much tomorrow at the practice either. But I think that’s a good sign that he was able to come back and play, did again a solid good job out there tonight)」

 

 渡邊はこの試合を含む直近5試合中4試合で2桁得点を記録しており、アベレージは13.0得点、7.4リバウンド、1.6アシスト、0.4スティール、1.0ブロック。本人のコメントが得られる機会があれば、こうした数字よりも敗戦の悔しさを語るかもしれないが、窮状が続くラプターズの中で、チームを支える活躍ぶりと言えるだろう。シューティングに関してもフィールドゴール成功率が51.0%(49本中25本成功)、3P成功率も42.9%(21本中9本成功)と、アグレッシブな姿勢が良好な数字につながっている。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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