月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2021】帝京長岡4強入り、スピードの小林を下す

 

12月27日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会5日目男子準々決勝、公立校で唯一ベスト8入りを果たした小林(宮崎県)とインターハイ準優勝の帝京長岡(新潟県①)が対戦。帝京長岡が3Q、一気に突き放して87-68で勝利し、ベスト4入りを決めた。

 

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1Q、残り8分28秒、小林はキャプテン#4森永歩夢のジャンプシュートで初得点。帝京長岡は、続くプレーで#8箕輪武蔵が3Pシュートで初得点を奪うが、小林はすぐに#11石川慎之助が3Pシュートを入れるなど、立ち上がりは、3Pシュートの入れ合いに。

 

残り5分29秒、小林#8大津尚輝が3Pシュートを決めて10-6とすると、またも帝京長岡#8箕輪武蔵も3Pシュートを沈めて10-9とするなど、小林が決めると、帝京長岡がすぐに追う展開に。1Qは小林の19-18で終える。

 

2Q、小林は#13手島敬人の3Pシュート、#5金澤知希の得点などで24-20とするが、帝京長岡は205cmのセンター、#14コネ・ボウゴウジィ・デット・ハマードのパワープレーでリードを広げさせない。

 

残り6分58秒、その#14ハマードをディフェンスしていた小林のPF#5金澤が3ファウルとなり、ベンチに下がる。その後、小林にターンオーバーが増えてしまう。すると帝京長岡は残り4分16秒、速攻で#14ハマードがトマホークダンク。さらに速い展開から#5古川晟が決めて29-27と逆転に成功。さらにキャプテンの#4田中空、エース#7島倉欧佑も決めて、35-29とリードする。

 

対する小林は、エースの#7石川響太郎、弟の#11石川(慎)が3Pシュート成功、さらに#6田中颯真も決めて37-39の1ゴール差で前半を終えた。

 

3Q立ち上がり、帝京長岡は#14ハマードの連続得点で45-39に。巻き返したい小林だが、シュートが入らない。帝京長岡は#4田中、#7島倉が連続得点を奪って、49-39と2ケタ差となる。その後も帝京長岡は攻防ともに集中力をキープ。小林は連続得点を止めるのがやっとという展開に。

このクォーター31得点(11失点)とオフェンスが爆発した帝京長岡が70-48と一挙22点差を作って3Qを終える。

 

4Q開始から、小林はディフェンスを仕切り直して、帝京長岡のオフェンスにプレッシャーをかけていく。すると#7石川響、#6田中らが得点。残り5分18秒で59-76と17点差まで縮める。

 

#14ハマードの高さを使う帝京長岡、ディフェンスからの速い展開で巻き返しを図る小林。20点差のラインで両チームともに見応えある展開を披露する。

 

このクォーター20-17と頑張りを見せた小林だが、帝京長岡が87-68で勝利。準決勝進出を決めた。

 

帝京長岡は、#14ハマードが30得点、30リバウンドと大活躍。エース#7島倉が22得点、#8箕輪が15得点、#5古川が10得点と4人が2ケタ得点。小林は、#6田中が21得点、#7石川響が18得点でチームを引っ張り、#8大津が8得点、19リバウンドを記録している。

 

敗れたもののベスト8という結果を残した小林・石川祐二コーチは、「メインコートでの試合、前半はうまくいったんですけど、後半が。オーバーワークだったのかなと。力不足、体力不足というところだったと思います。今までもになく勝ちを意識したところもあるかなと。足が止まったところがありますので、そこを帝京さんが前から突かれて、向こうの展開になったかなと思います」と試合についてコメント。「正直、あと2つやりたかったという思いはありますが、彼らには感謝しています」と語ると、自身の長男でエースの#7石川響について「父親としてになりますが、彼の得点がなければ、ここまで来れなかったわけですから、昨日までの彼を褒めてあげたいですね。今日の彼は、次のステージへの課題ということで終わりたいと思います」と初めて褒めてあげたいと語った。

 

またキャプテンの#4森永歩夢は「相手の前からの激しい当たりというところに、なかなかうまくボール運びができずに、シュートを打たされるような状態となり、得点が伸びなくなってしまいました。ブレークも出るところもあったんですけど、それを継続して出すことができなかったので、こういう結果になってしまいました」とコメント。

 

エースの#7石川響は「後半で自分たちの甘さが出てきてしまって。やっぱり力不足だったなと感じました」と振り返ると「あと2試合、正直やりたかったんですけど、自分の力不足で、チームのエースとして役割を全うできなかった。弟(#11石川慎)にも日本一をプレゼントできなくて、とても悔しいです」とコメント。「自分を超えて、自分よりレベルを上げて、メインコートにもう1回戻ってきて、日本一を達成してほしいなと思います」と弟に夢の続きを託した。

 

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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)



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