月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2021】桜花学園決勝進出、昭和学院の攻撃を封じる

 

12月27日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会5日目女子準決勝、桜花学園(愛知県①)は昭和学院(千葉県①)と対戦。序盤にリードを作ると、さらに広げていき110-72で勝利し、決勝進出を決めた。

 

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両校は、近年のウインターカップでは2度対戦し、2017年大会準々決勝で桜花学園が勝利、翌2018年大会準々決勝では昭和学院が勝利を果たしている。

 

1Q開始直後、桜花学園#5伊波美空がドライブでファウルをもらい、フリースローで初得点。すぐに昭和学院は#5石橋花穂が3Pシュートを決め返すというスタートに。

続いて、桜花学園はキャプテンの#4朝比奈 あずさ、#7前田心咲の得点で12-5とまずリードを作る。昭和学院は、3Pシュートを中心に攻めていくが決まらず。残り4分17秒、#5伊波のフリースローで桜花学園が14-7とする。

 

タイムアウトを取って流れを切ろうとした昭和学院だったが、#6平下結貴、#7前田、#4朝比奈の得点で21-9と桜花学園にリードを広げられてしまう。クォーター終盤、#8花島百香、3Pシュート2本を決めた#9田嶋優希奈、#7田平真弥の活躍で追い上げ。昭和学院の19-28で1Qを終える。

 

点差を縮めたい昭和学院だったが、2Qに入っても桜花学園の連続得点を止めるのがやっと。桜花学園は#9横山智那美、#12玉川なつ珠の3Pシュート、#6平下のシュートで、残り5分34秒で44-25とさらにリードを広げる。

 

その後も昭和学院は、#5石橋、#13清水さくらがシュートを決めるが、流れを引き寄せるには至らず。桜花学園の54-34で前半を終えた。

 

3Q、昭和学院は、チェックを厳しくしていくが、桜花学園は開始から7連続得点。その中で目立ったのが#9横山。ディフェンスを見てのドライブ、ジャンプシュート、アシストと的確な状況判断から得点に貢献し、68-34にリードを広げる。

クォーター終盤、昭和学院は本来の速い展開も出せて、#13清水さくら、#8花島、#9田嶋らが得点をあげるが、桜花学園の勢いは衰えない。81-50、桜花学園が31点差で4Qを迎える。

 

4Q、昭和学院は最初のオフェンスで#9田嶋が3Pシュート。直後に#8花島がスティールして得点するなど、いい形で最終クォーターに入る。しかし、桜花学園は、#8森美麗、#12玉川が着実にシュートを入れていき、リードを保つ。残り3分53秒、桜花学園は#12玉川のシュートで100点の大台に。

 

終盤、昭和学院はオールコートでプレスをかけて、#9田嶋が得点を奪うなど、最後まで集中してプレーして見せ場を作る。

 

結果、桜花学園が110-72で勝利し、3連覇を狙う決勝進出を決めた。

 

桜花学園は、#9横山が26得点8リバウンド4アシスト、#4朝比奈が20得点8リバウンド、#6平下が16得点とチームを引っ張っている。一方、昭和学院は、#9田嶋が3Pシュート5本成功も含めて23得点と引っ張った。シュート試投数は桜花学園が88本(2P81本、3P7本)、昭和学院が87本(2P52本、3P35本)とほぼ同数。桜花学園のディフェンスが勝利を引き寄せたと言ってもいい試合だった。

 

「桜花さんが朝比奈選手を中心に作ってくることは警戒していたんですけど、そこの部分で今いち指示がぴりっと通らなかったなというのが第一印象です」と振り返った昭和学院の鈴木親光コーチは、大会に入ってから1試合ずつまとまってきたチームに、「高知中央さんのあとからは、少しリラックスして大会を子どもたちが楽しめたんじゃないですかね。この1年ということでは、#9田嶋や#5石橋なんかが一生懸命、チームに潤滑油を与えてくれて、独り立ちしてく選手が少しずつ見られた。大分精神的な面でも大人になったのかなと思います」と選手たちの成長を讃えている。

 

またチームを引っ張った#9田嶋は「昨日のミーティングで、自分からチャレンジ精神を持って、受け身にならずに試合のはじめから積極的に攻めていこうと話をしていたんですけど、リバウンドの強さ、ルーズボールへの執着心とかが想像していたよりも全然強くて、そこに対応できませんでした」と試合を振り返ってコメント。さらに、「自分たちが目指していたのは全国制覇なので、悔しい気持ちは残るんですけど、インターハイ3回戦負けからメインコートまで戦えたことはとてもうれしいです」と語っている。

 

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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)



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