月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2021】驚異の25リバウンドで薫英の柱となった佐藤双羽「リバウンドの面で起点になれた」

 

「自分がシュートを外してしまった分、仲間が頑張ってくれていたので、自分はリバウンドに徹してみんなに気持ちよく打ってもらおうと思っていました」

 

 そう試合を振り返ったのは大阪薫英女学院のセンター#8佐藤双羽だ。1回戦でシードを得ていた薫英は、2回戦で札幌山の手と激突。3Q中盤以降に持ち味の堅守速攻が冴えわたり、89-71で初戦を制した。

 

 そんな試合のMVPは間違いなく佐藤だった。結果から言うと彼女はこの試合でオフェンス・リバウンド12本を含む計25リバウンドと、チームの半数近いリバウンドをもぎ取り、勝利の立て役者となったのだ。

 

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 この試合では40分を通じて、特にハーフコートでのシュートとフリースローの決定率に欠けた薫英。それぞれ3P成功率が25%(7/28)、2P成功率が44.4%(28/63)、フリースロー成功率も44.4%(12/27)だった。それでも89得点を記録できたのは、佐藤のリバウンド面での奮闘が非常に大きかった。

 

 特に2Qにはフリースローミスのリバウンドを自ら拾ったり、ティップしたボールを味方がピックアップするなど、制空権を掌握。トータルのリバウンド数でもオフェンス・リバウンド30本を含む56-38と山の手を大きく上回った。佐藤は175cmと相手センターに比べればややサイズに勝るが、決して大柄というわけではない。それでも「ずっと自分の仕事は中で体を張ってチームを勝たせることです」というように、泥臭く薫英のインサイドを支え続けた。

 

 

 この試合の活躍には安藤香織コーチも「佐藤にはもう少し点をとってもらいたいといつも言っているのですが、今日に関してはあれだけリバウンドを取ってくれていたので、『点数はいいからリバウンドに集中しよう』という話をしていました。本当によく頑張ったと思うし、リバウンドにいき続けるのが彼女の仕事」と称賛。常に課題は「センターが起点となったプレー」と口にしてきた安藤コーチも、ことリバウンドの面においては及第点の出来だったというわけだ。

 

 佐藤自身も「今日はリバウンドの面で起点になれたのでそこは合格点だと思います」と納得の表情。ただ、得点面に話が移ると「点を取ることについて3年間言われている課題なので、ここからの試合ではそこもしっかりと見せていけるように頑張りたい」と気を引き締め直していた。

 

 薫英はこの試合でスタメン全員に控えの#9細川未菜弥を含めた6人が2桁得点。上々の滑り出しで3回戦進出を決めた。夏の準優勝を経て一回り大きくなったチームの次戦にも期待大だ。

 

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写真/JBA

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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