月刊バスケットボール6月号

【第8回 3x3 U18日本選手権大会FINAL ROUND】<男子>OWENが“昨年越え”を果たすタイトル獲得!

 第8回 3x3 U18日本選手権大会ファイナルラウンドは12月19日、新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)を会場に準決勝と決勝が行われた。


<男子準決勝 第1試合>
開志国際高等学校 <新潟県> 21-20 SIMON.EXE <神奈川県>

 

 

 ♯53日下野アスカのシュートで先制した開志国際が序盤をリード。互いのディフェンスの前にやや重い雰囲気の中、♯14三橋颯の2Pシュートが決まってSIMON.EXEが6-5と逆転すると、その後はSIMON.EXEが先行しながら開志国際が追いかける展開に。しかし、♯53日下野らによる連続得点で開志国際が14-14と追いつくと、今度はお互いの意地をぶつけ合うような激しい点の取り合いとなり、ついに20-20までもつれ込む。最後は、先制点を決めた日下野が落ち着いてボールをリングに収め、開志国際が決勝進出を決めた。

 

 

 惜しくも敗れたSIMON.EXEだが、3人のメンバーで休むことなく最後まで戦い切った。♯7佐藤正樹は、「この3人で役割を決め、試合が終わるごとに自分たちが感じたことや考えたことを話し合って、1試合ずつ成長できたと思います。反省点は、自分たちは1人1人、“個”が強いため、どうしても“自分がやってやろう”“俺が決めてやろう”という思いが強くなるところ。それをコントロールして戦っていこうと決めていたのですが、終盤でそういうところがポロっと出たりしたところが、これからもっと強くなるためには修正していきたいところです」と、改めて課題を確認しつつ大会を振り返った。


<男子準決勝 第2試合>
OWEN <群馬県> 21-13 Raccoons <京都府>

 

 

 1点を地道に積み重ねるRaccoonsに対して、♯7柄澤日向、♯72金子奨らの2Pシュートが要所で決まり、効率よく点を積み上げていったOWEN。中盤以降はお互いに点の取り合いとなったが、序盤でOWENに許したリードを埋めることができず、Raccoonsがノックアウトで敗れた。

 

 

 洛南高校の部員で構成されるRaccoons。ウインターカップではマネジャーを務める♯5中西慶は、「相手チームとは外のシュート力が違いました。3x3は2Pシュートがないと勝てないと思うので、そこはまだまだ練習不足だったし、実力不足だったと思います。けれど、どの試合もハードに戦えて、流れが悪い時でも力強くプレーできていたのは良かったと思います」と、前向きな言葉で大会を締めくくった。


<男子決勝>
開志国際高等学校 <新潟県> 19-22 OWEN <群馬県>

 

 

 開志国際は♯52牛尾温、♯53日下野が躍動し、試合開始から僅か2分ほどで9-0と大量リードを奪う。しかし、16-5と最も点差が開いた場面で♯7柄澤が決めた2Pシュートが起点となりOWENが怒とうの反撃開始。堰を切ったように♯2関口世南も連続で2Pシュートを決め18-18の同点、さらに20-18と逆転を果たす。開志国際も♯52牛尾がシュートを決め、奪われた流れを断ち切ろうと奮闘するが、最後は♯72金子奨の2Pシュートがネットを揺らし、残り2分50秒でOWENが劇的な逆転勝利で優勝。昨年、ベスト4に終わった悔しさを見事に晴らした。

 

 

 開志国際の♯52牛尾は、「自分たちはサイズがない分、ディフェンスやリバウンドでアグレッシブに戦わなければいけないと分かっていました。そこが粘り強くできたことは良かったと思います。あと一歩足りなかったのは、自分たちのペースになったときに、つい油断して相手にペースを持っていかれてしまうところ」と浮き彫りになった課題を分析。今回のチームは、「みんなで出よう!」と互いに誘い合って組まれたという。「みんな仲が良く、寮生活をしていることもあり息が合うので、それも良かったのかなと思います」と牛尾。そして、「ウインターカップのメンバーにも、ぜひ優勝して、開志国際の名を全国に広めてほしい」と、これから大舞台を迎える仲間たちにエールを送った。

 

 

 念願の優勝を果たし、MVPにも選ばれたOWENの♯7柄澤は、「決勝は0-9のビハインドから始まって、2日間の連戦もあって疲れていた部分もあり、『ここまでか…』と思った瞬間もありました」と正直な気持ちを語る。だが、「気持ちだけは切らさず、全員でディフェンスやリバウンドの細かいところを一生懸命やって、ひたすら1点ずつ返そうと。そして、自分には武器である2Pシュートをどれだけ決めきれるかというテーマもあったので、入っても入らなくても打とうと。そうして打ち続けた結果が、優勝とMVPにつながって本当にうれしいです」と、ホッとした表情で思いを言葉にした。新島学園高校の部員でチームを組むOWENだが、「ウインターカップは県予選で負けてしまい、気持ちを切り替えて3x3で日本一を獲ろうと頑張ってきました。5人制も3x3も大好きですが、チャンスがあればいずれもプロになって、自分の武器である3Pシュートをどんどん生かしていきたいです。落合知也さんみたいに、2日間Bリーグを戦ったあと、3日目に3x3を戦えるような選手になりたい」と言い、高校生らしい笑顔をほころばせた。

 

写真左より♯7柄澤日向、♯72金子奨、♯2関口世南、♯77古矢大空

 

女子優勝の岐阜女子高校とともに

 

男女MVP、岐阜女子高校♯22辻りお(写真左)、OWEN#7柄澤日向(同右)

 

取材〇村山純一
写真〇山岡邦彦
(月刊バスケットボール)



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