月刊バスケットボール5月号

【第8回 3x3 U18日本選手権大会FINAL ROUND】<女子>岐阜女子がウインターカップのメンバーへとエールを送る優勝!

 第8回 3x3 U18日本選手権大会ファイナルラウンドは12月19日、新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)を会場に準決勝と決勝が行われた。


<女子準決勝 第1試合>
KUKI GYMRATS <埼玉県> 15-16 岐阜女子高校 <岐阜県>

 

 

 序盤、♯12神山祐華の2本の2Pシュートで5-2とリードした岐阜女子。しかし、♯58佐野萌笑の連続得点でKUKI GYMRATSが同点に追いつき、試合は序盤からお互いの激しい攻防の様相を見せた。その後、♯22辻りおの2Pシュートで再び一歩リードした岐阜女子が先行し、KUKI GYMRATSが追いつくという展開が繰り返されたが、終盤、♯8安部成海の2Pシュートが決まってKUKI GYMRATSが15-14とついに逆転。しかし、初めてリードを奪われた岐阜女子は慌てることなく、最後は♯22辻が2Pシュートを決めてタイムアップとなった。

 

 昨年に続く連覇は成らなかったKUKI GYMRATS。♯8安部は、「2連覇を目指してスカウティングなど準備をしてきたのですが、試合の始めの方で2Pシュートを決められてしまい、そこからリバウンドも行けずに相手に流れを持っていかれてしまいました」と悔しさを言葉にした。しかし、仲間たちと歩んできた時間は、勝敗だけで語れるものではない。「去年の先輩たちに続こうと、代替わりしてからずっと同じ気持ちでやってきて、たまに割れたりすることもあったのですが、その度に自分たちの目標を再確認して、コミュニケーションを取りながらチームの良さを追求してきたのは、これからにつながると思います」。安部は、真っ直ぐ前を見て語った。

 

 


<女子準決勝 第2試合>
広島皆実高校 <広島県> 15-22 KUGENUMA <神奈川県>

 

 

 広島皆実が♯58三次真歩のシュートで先制するも、KUGENUMAも♯97吉田歩加の2Pシュートですかさず逆転。その後、点差は大きく開かぬまま、KUGENUMAが一歩進んでは広島皆実が追いつくという展開が繰り返される。しかし、広島皆実にとって10-11の場面から、KUGENUMAの♯16中西茉桜の2Pシュート、♯97吉田歩加のフリースロー、さらに♯33横山季晴の2Pシュートと立て続けに点を取られ、10-16とリードを広げられたことが痛かった。最後は♯97吉田の2Pシュートが決まり、KUGENUMAが勝利を収めた。

 

 

 広島皆実の♯13平田彩光は、「ずっと5人制でプレーしてきて、3x3は今年初めて、そして日本選手権の出場も初めてで、どうやって攻めたらいいかなど、自分たちでいろいろ考えながらやってきました。全国はやはり(体の)当たりも強かったですが、5人制とはまた違う良さもあり、楽しかったというのが一番の思いです」と、今発揮できる力を全て出し切った充実した笑顔で語った。


<女子決勝>
岐阜女子高校 <岐阜県> 21-18 KUGENUMA <神奈川県>

 

 

 KUGENUMAが♯97吉田のドライブで先制。その後、お互いにロングシュートのチャンスが数多くありながら、その多くがリングに弾かれ、中盤にかけてはインサイドの攻防で点を取り合う、ややスローな得点ペースの展開となる。残り3分45秒、12-12の場面からKUGENUMAが♯33横山の2本の2Pシュートとフローターで17-13と頭一つ抜け出すも、岐阜女子も食らい付き、♯3原田倫と♯12神山の2Pシュートで17-17の同点に追いつき、さらに♯22辻 のレイアップで18-17と逆転。♯22辻はゴール下からの1点も決めて19-17。その♯22辻からパスを受けた♯3原田のシュートでついに20-17と勝利まであと一歩。KUGENUMAも♯89小石川結のシュートで粘るものの、最後は残り4秒で♯1古田桃海がゴール下を駆け抜けながら背面に上げたボールがリングに吸い込まれ、岐阜女子が優勝を決めた。

 

 

 惜しくも優勝を逃したKUGENUMAの♯16中西は、「自分たちは県予選でウインターカップ出場を逃してしまったので、改めてこの大会での優勝を目指して今までの時間を過ごしてきました。結果的には残念でしたが、自分たちのベストを出し切れたかなと思うので、やりきった気持ちがあります。負けたことはもちろん悔しいですが、昨年の記録(ベスト4)を超えることができました」と、今大会の挑戦を振り返った。

 

 

 見事、優勝を飾った岐阜女子。その決勝点を決めた♯1古田は、「地区大会は1週間前から、全国大会に向けても1週間前から本格的な練習を始めました。初めてプレーした3x3はメッチャ楽しかったです。自分はドライブが持ち味なので、そのドライブが全国の舞台でどこまで通用するかを試せるいい機会だと思い、楽しみにしていました。今大会は優勝、日本一を目標に臨みました。次はウインターカップに出場するメンバーの応援に回りますが、先生(安江満夫監督)と、「ウインターの前に自分たちが喜びの報告をする」と約束をしてきました。次は5人制に託します。スタンドからの応援になりますが、命がけで応援するので日本一になってほしい」と熱く語った。

 

 

 MVPを獲得した♯22辻も、「ウインターカップに出場するメンバーのためにも、自分たちが最初に優勝して、いい流れを作りたいとこの4人でずっと話をしてきました」と、これから大舞台を迎える仲間たちへの思いを胸に戦い続けてきたことを語った。

 

写真左より♯3原田倫、♯1古田桃海、♯12神山祐華、♯22辻りお

 

取材〇村山純一
写真〇山岡邦彦

(月刊バスケットボール)



PICK UP