月刊バスケットボール5月号

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2021.12.17

2022年のFIBA3x3ウィメンズシリーズに日本から史上初のプライベートチームが参戦

(写真/©fiba.basketball)

 

 ゼビオグループ傘下で3x3.EXE Premierを運営するクロススポーツマーケティング株式会社が、3x3の女子プロサーキット『FIBA3x3ウィメンズシリーズ』に史上初のプライベートチームを参戦させることが明らかとなった。


クロススポーツは2014年以来、先駆者として3x3の世界をけん引する存在。同社の中村考昭代表取締役は、「私たちは日本と世界における3x3の発展において先駆者としての役割を担えていることをうれしく思っております(We are delighted to play a leading role in the development of 3x3 in Japan and worldwide)」とコメントした。


クロススポーツは、2018年には日本初の3x3女子プロリーグとなる3x3.EXE Premierの女子リーグも立ち上げている。このリーグは、女子日本代表がFIBA3x3オリンピック予選出場を実現するために必要なポイントを獲得する上でも重要な役割を果たしたが、今回のプライベートチームによるウィメンズシリーズ参戦では、3x3.EXE Premierに参戦するプレーヤーにトライアウトでストリートから世界の舞台に挑戦する機会を提供することになる。中村社長は「若年世代の女性たちが、バスケットボールを通じて新しいライフスタイルや物事の見方に触れることができるように、熱く応援していきたいです(We’re just passionate about accelerating youth development for women with a new lifestyle and perspective through basketball)」と意欲的だ。


3x3女子日本代表は、2019年にFIBA3x3U23ワールドカップで金メダルを獲得し、ウィメンズシリーズの雄安新区大会でもU23日本代表が金メダルを獲得した。東京2020オリンピックでは最終成績としては5位だったが、金メダルを獲得したアメリカ代表に唯一土をつけたのが日本代表だった。

 

東京2020オリンピックでアメリカ代表を倒し歓喜の笑顔で抱き合う馬瓜ステファニーと山本麻衣(写真/©fiba.basketball)


コート上でのポテンシャルは十分示せている一方で、東京2020オリンピック終了後の世界大会には日本からプレーヤーが参加できておらず、2024年のパリオリンピック出場権獲得に向けポイント獲得が大きな課題となっている。今回のプライベートチーム参戦により、参加したプレーヤーが国内大会に比べて格段に高いポイントを得るチャンスが生まれることになる。


2021年のウィメンズシリーズは19チームが参戦し、世界6都市でのサーキットとルーマニアのブカレストにおけるファイナルラウンドの全7大会が行われた。19チームはいずれもプライベートチームではなく、国や地域の代表チームだ。


最終的にチャンピオンの座に就いたのはドイツ代表。このチームには、安間志織(アイスフォーゲルUSCフライブルク)がブンデスリーガの公式戦でマッチアップしたジェニファー・クラウダー(メディカルインスティンクト・ファイルヒェンBG74ゲッティンゲン)もプレーしていた。このサーキットに参加することで、ポイント獲得のチャンスだけでなく各国のトップリーグでプレーするタレントと対戦する貴重な機会も得ることができる。

 

ウィメンズシリーズ2021のチャンピオンとなったドイツ代表。右から2番目がジェニファー・クラウダ―だ(写真/©fiba.basketball)


FIBA執行委員のキャロル・カランは、日本からのプライベートチーム参戦を受け、「東京2020オリンピックで3x3が初めて正式競技として採用された後、ウィメンズシリーズがさらに広がりを見せることを喜ばしく思います(We’re delighted to see the FIBA 3x3 Women’s Series continue to expand after 3x3’s successful debut at the Tokyo Olympics)」と歓迎の意を表した。「より多くの実力ある女性プレーヤーが世界の舞台で輝く機会を得られるようになります。それはFIBAの戦略における3本柱の一つである、バスケットボールにおける女性の活躍の場を広げることにも沿う出来事だと信じています(We believe this will give a chance to more female talents to shine on the world stage, which is in line with one of FIBA’s three strategic pillars: the development of women in basketball)」

 

(月刊バスケットボール)



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