月刊バスケットボール10月号

NBA

2021.12.13

八村 塁の復帰への経過が急展開中、チーム全員にG-SHOCKプレゼント、遠征にも初参加

 開幕から長期欠場が続いている八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)の動きがいよいよ活発になってきた。ワシントンD.C.入りが伝えられた日本時間10月12日から約2ヵ月、実戦復帰に向け動きが加速してきている。

 

 

 今シーズン、八村が初めてメディアの前に姿を見せたのは、日本時間11月21日未明のシュートアラウンド。その後Gリーグのキャピタルシティ・ゴーゴーでも練習に取り組み、日本時間12月2日にホームのキャピタルワン・センターで行われた対ミネソタ・ティンバーウルブズ戦では、私服で初めてベンチに座った。


その後もたびたび練習風景が伝えられていたが、この週末にはチームの全員にG-SHOCKをプレゼントしたニュースが舞い込み、さらに日本時間12月14日からのアウェイでの4試合に帯同することも明らかになった。

 


ウェス・アンセルドJr.HCは、日本時間12月4日の時点では、その後同6日から4日間で3試合を戦う遠征に八村を帯同させることに否定的で、実際にその遠征は八村を帯同せずに終えた。そのときの理由は八村に練習の機会を作れないことを挙げていた。

 

 しかし11日の練習後会見では14日からの遠征への帯同を明言。12日の対ユタ・ジャズ戦前の会見では、「練習時間があまり取れないのはわかっているんですが、少なくともコートのそばにいてシュートアラウンドの前後に皆と一緒にやることで、我々のやっている内容や約束事に慣れることができれば良いかなと思っています」と話している。「復帰予定が明確になっているわけではないですが、いつまでも外しておいてこちらが思うような早さで仕上がりを期待するのは難しいでしょうから」とのことで、復帰に向けたステップが一つのヤマを越えたことを感じさせていた。


 G-SHOCKをチームメイトにプレゼントしたことを最初に話したのはアンソニー・ギルで、日本時間12月11日の練習後会見に、八村がチームに加わったことを喜ぶコメントをしていた最中に、不意にそのエピソードに触れ、経緯を説明してくれた。ギルは実際に、ゴールドに輝くG-SHOCKを左腕につけていた。

 

 ギルによると、ウィザーズのベンチに加わった八村が着用していた時計を見て「いい時計だね」と声を掛けると、八村はそれが自身のシグニチャー・モデルだと答えた。そこでギルが「独り占めはよくないな、そういう良いものはみんなで分け合わないと」とジョークで返したところ、八村が「OK、それじゃあみんなにクリスマスプレゼントしちゃいましょう」と答えた。会見当日にロッカールームに入ると、時計が用意されていたのだそうだ。

 

 ギルは「素晴らしいヤツですよね。うれしくてびっくりしましたよ!」と笑顔を見せていた。ブラッドリー・ビールも対ジャズ戦後の会見で「ルイは秘密のサンタでした。素敵なG-SHOCKをプレゼントしてくれましたよ」と話しており、八村のクリスマスプレゼントがチームを和ませ、一体感形成にも一役買っているようだ。

 


八村の復帰見込み時期はいつ頃なのか。まだ何事も明確にはなっていないが、新たなチームともうまく溶け込み、自身のフィジカルやシューティングタッチも映像で見る限りは日に日によくなっているように感じられる。チームの約束事を覚え、自然に反応できるようになるには時間がかかるのは間違いないが、少なくともテストで短い時間コートに立つ日はそう遠くないのではないだろうか。


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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