月刊バスケットボール5月号

FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選プレビュー①

単なるワールドカップ予選じゃない! 2020東京オリンピックの開催国枠がかかった絶対に負けられないホーム&アウェイが始まる!!  

フリオ・ラマス日本代表ヘッドコーチ     世界選手権から ワールドカップに    2010年のトルコ開催まで“FIBAバスケットボール世界選手権”という名称でオリンピックの中間の年に行われ、2014年スペイン開催から名称変更となったのが、現在の“FIBAワールドカップ”だ。国際バスケットボール連盟(FIBA)に加盟する213の国と地域の中からバスケットボールの世界一を決定する一大イベントで、優勝国はサッカーのワールドカップと同じくらいの名誉を手に入れることとなる。    そのワールドカップ、これまでは東アジア大会→アジア大会の2大会を経てアジアからの出場国が決まっていたのだが、来る2019年中国大会に向けては方式が変更。ホーム&アウェイ方式のアジア地区1次予選→2次予選を経て、アジア地区からは7チームがワールドカップに出場することとなる(その他、アメリカ地区、ヨーロッパ地区などから合計32チームが参加)。    そんなバスケットボール世界一を決めるワールドカップだが、日本にはそれ以上の重要さがある。というのも、2020年東京オリンピックに出場できるかどうかが、このワールドカップにかかっているのだ。    一般的に自国開催のオリンピックには自動的に開催国枠が与えられるものだが、12チームと出場チームが制限されているバスケットボールでは開催国枠が適用されるかどうかはFIBA中央理事会で決定される。他のオリンピック参加国に比べてあまりに力が劣っていると、開催国といえども出場枠をもらえないのだ。    では、どうすれば開催国枠が与えられるか? FIBAからは“ワールドカップに出場すること”という目安が示されており、日本としては何としてもアジア地区で7位に入る必要があるのだ。    この状況は、1993年5月にプロ化してスタートしたサッカーのJリーグが、その直後、1994年のアメリカ ワールドカップに向けて1993年10月にアジア地区最終予選を戦った状況と酷似している。日本の男子バスケットも、これまでJBLとbjリーグという2つのトップリーグが存在していたが、昨年、完全プロのBリーグとして一つに統合。その指揮をとった初代Bリーグチェアマンの川淵三郎氏が、初代Jリーグチェアマンでもあったことは、何かの運命に導かれているようだ。    そして迎えるワールドカップのアジア地区予選。サッカーでは、2‐1とリードしていたものの試合終了直前に同点に追いつかれ、得失点差でワールドカップ進出を逃した“ドーハの悲劇”という結末になったが、日本にはどのような結果が待っているのか? (つづく)   (月刊バスケットボール)  

PICK UP