【インタビュー】片峯 聡太氏(福岡大附大濠高監督)が語る 「プレーヤーの状況判断」「スカウティングされないオフェンス」とは?②
「育成」と「強化」の両立を目指して奮闘中の片峯聡太監督(福岡大附大濠高)。ウインターカップまで約10日に迫った今、「プレーヤーの状況判断」や「スカウティングされない攻撃」について質問をぶつけてみた。ゲームライクとは何を指すのか? 自立とは? どの選択がベストなのか? など、さまざまな角度から大濠の強さに迫る。
「自分で考え、自分で決めたことで失敗を数多くしてほしい」(片峯監督)
片峯 聡太氏インタビュー②
【『できた!』で終わらず、やり込んで自分の中に刷り込んで身に付けたというレベルまでやれるプレーヤーが何人いるのか】
――『大濠は大きい』というイメージがあると思います。しかし、大濠には2mを超す留学生はいません。そういったことを考えると、一般的なチームも「自分たちより大きい相手」と戦うときに、大濠のようなオフェンスは参考になると感じました。
「そうだと思います。確かにサイズはありますが、留学生ほどの大きさやフィジカルはありません。さらに、170センチ台、180センチ台の身のこなしやちょっとした部分のうまさもないと思っています。どんなレベルでも、カテゴリーでもヒントは出てくると思います。
私は今いるプレーヤーたちを我慢して、時間をかけて育て、数年後にどうやって花を咲かせるようにできるのか…という種まきからの段階だと考えています。どこを見据えて練習するのかがとても大切なのです」
――大濠の練習を見ていて、プレーヤーたちの「バスケットボールIQ」の高さを感じました。さまざまな練習がありますが、練習をしていく上で重要なことは、どのような部分でしょうか?
「『できた!』で終わることが結構多いです。それをもっとやり込んで、やり込んで、自分の中に刷り込んで身に付けた、というレベルまでやれるプレーヤーが何人いるのか。やろうとしていることを少し知っているというレベルではなく、こだわりを持ってやっていくということは、どこで指導していても同じだと思います。ただし、決してやらせるのではなく、プレーヤー自身に楽しみをどう見いださせるのかということです。
『こうなったら将来はこうなれるよ』『ゲームでこうやったら有効な手段になるよ』などということを理解させながら練習していくことが重要です」
――一度の成功体験は必要です。そして、それがあるからこそ、その先に進むことができる…そこから自分でどうしていくのかが、大きなテーマになります。それは大濠が代々、大切にしている“自立”というものにつながっていくということですね。
「教えられて、やらされると、成功しても失敗してもあまり自分のものにはなっていないことが多いです。自分で考え、自分で決めたことで失敗を数多くしてほしいと思っています。
どうしても、U12やU15は保護者との距離も近いですし、そうでないと成り立たないことも多々あります。しかし、高校からは少し距離を取り、失敗から学び、次に生かしていくのかという実力を付けていく年代ではないでしょうか。そして、それを専門的に磨いていくのが大学だと考えています。そういう良い習慣を高校時代に身に付けてほしいです」
※③へ続く
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