月刊バスケットボール6月号

大学

2021.12.03

東海大学×ロックアイス、てっぺんを目指す熱烈パートナーシップ

 12月6日(月)から始まる第73回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)にディフェンディングチャンピオンとして臨む東海大学男子バスケットボール部シーガルスと、コンビニやスーパーでおなじみの袋詰め氷製品『ロックアイスⓇ』のあらたなパートナーシップが発表された。

 

 

 このパートナーシップにより、ロックアイスは同ブランドの製品を自由に使える大型ストッカーを東海大学のチーム施設に導入するほか、遠征先でもロックアイスを使ってアイシングなどができるような体制づくりの支援を行っていく。バスケットボール・プレーヤーをはじめとしたアスリートに正しいアイシングの知識を広める活動の一環にも位置付けられる取り組みだ。


東海大学は、ユニフォームの背中下段にロックアイスのロゴを背負って戦うこととなる。関東大学バスケットボール連盟は昨年度から、所属チームの活動費不足解消を目的としてスポンサー広告入りのユニフォームの着用を解禁しており、東海大学としては正面の株式会社サン・クロレラに続く2社目の企業ロゴとなる。

 

 12月2日にロックアイスベース(千葉県八千代市)で行われたパートナーシップ締結発表会見では、ロックアイスを製造・販売する小久保製氷冷蔵株式会社の小久保龍平代表取締役社長、シーガルスの陸川 章監督、キャプテンの伊藤 領(4年)と大倉颯太(4年)が登壇し、パートナーシップの締結の経緯や今後の活動への抱負などを語った。

 

新ユニフォームを着た大倉(左)と伊藤(右)

 

 今回東海大学とロックアイスがパートナーシップ締結に至ったきっかけは、大倉颯太が昨シーズン千葉ジェッツで特別指定選手としてプレーしていた間に、ロックアイスが冠となった試合(今年2月14日の千葉ジェッツ対信州ブレイブウォリアーズ戦)で前十字靭帯断裂、内側側副靭帯断裂、半月板損傷という大ケガを負ったことだった。


小久保社長は、「あの試合は大倉選手が活躍して、何事もなければ『ロックアイス賞(当日活躍した選手に贈られる賞)』は大倉君だなと思っていた中での出来事でした」とその日を振り返る。最終的には、大倉がコートを離れた後活躍した藤永佳昭がロックアイス賞を獲得したのだが、東海大学で大倉の先輩にあたる藤永は「ぜひ私ではなくて今日非常に頑張っていた颯太に」と申し出た。その思いに胸を打たれた小久保社長が、「試合は試合として藤永選手が活躍したのだから、この賞は藤永選手にしよう。でも会社として、東海大学に対してロックアイス特別賞を出したいと考えていこう」と話したのだという。

 


パートナーシップ締結の経緯を語る小久保社長


大倉はその後6月まで、ロックアイスベースをリハビリの拠点として過ごす。その間は送迎からロックアイスを使ってのアイシングをはじめとしたケア、イメージトレーニングまでをリハビリチーム付きの環境で行ってきた。その結果、当初は全治12ヵ月とされていた大倉は、ケガから10ヵ月半後の10月31日に行われた対早稲田大学戦(関東学生リーグ)で戦列復帰を果たす。それができたのもロックアイスベースや千葉ジェッツ関係者や東海大学のチームメイトら周囲の人々が同じ方向を見てくれたことが大きかったと大倉は振り返っている。


ある日、偶然ロックアイスベースを訪れた小久保社長は大倉と顔を合わせた。そのときロックアイスを背負った大倉が「現役のうちに試合に出て、てっぺん獲りたいです」と話すのを聞いたことで、小久保社長は「その気持ちだったら我々も応援するぞという気持ちにさせられました」と話した。


夏も過ぎた頃、そうした経緯からのパートナーシップの提案を持って、小久保社長が陸川監督と初めて対面したときには、陸川監督がかねてより晩酌などでロックアイスを愛用しているファンだったこともあり即座に意気投合。東海大学としても「ぜひ、喜んでお願いしたい」と二つ返事で賛同した。

 
熱烈で愛情豊かな指導で知られる陸川監督は、ロックアイスのブランドメッセージに掲げられた「情熱をもって日々頑張る人々を応援したい」という思いに引かれたという。「我々も応援される、愛されるチームでありたい、見る人に勇気や感動を与えられるチームでありたいという点で、非常に相通じるところがあると思いました」と話し、小久保社長の優しさと選手を思う愛情にも引かれたと話す。「龍平さんのパワーとエネルギーで、すごく背中を押されている気がします。良い会社と提携で来たなと思います」


東海大学の直近の試合は、12月6日に行われるインカレ1回戦の対松山大学戦。この試合がロックアイスのロゴを背に戦う最初の機会となる。キャプテンの伊藤は「優勝して見ている人たちも自分たちも、本当にいいチームだったなと思えるようになりたいです。勝つのは当たり前。終わり方を意識しています」と意欲満々だ。大倉も「優勝は当たり前で、1試合1試合成長して良いものをインカレの期間に作り上げていきたいと思います」と高い意識で大会を迎える。


「インカレは4年生の大会だと思っています」と語る陸川監督は、大倉のケガについての懸念も明かしていた。やはり「頑張りすぎてしまう」のだ。リーグ戦では「俯瞰的に見ながらプレーできていた」というが、やはり大学時代最後の大舞台で、しかも負けたら終わりの一発勝負。ついつい熱くなりすぎる瞬間もあるだろうからだ。

 

 冷静になりたいそんな瞬間にも、ロックアイス効果があるかもしれない。小久保社長は「溶けない情熱で、クールにてっぺんを獲ってほしいです」とエールを送っていた。

 


小久保製氷冷蔵株式会社

小久保龍平代表取締役社長
バスケットボールでは選手たちと近い関係が築けた中で、選手たちにとってアイシングがすごく大切で、本当にロックアイスを必要としてくれている声が直接届きやすいというのは大きいです。普段使っていて違いがわかってくれる方々に使っていただきたいですし、そういう輪を広げていくことでロックアイスを使ったアイシングが習慣として広がるかなと思っています。

 

東海大学男子バスケットボール部シーガルス

陸川 章監督
今回ロックアイスさんとパートナーシップを結ぶことができまして、非常に喜んでおりますし、感謝しております。一番喜んでいるのは選手達です。バスケットボールだけではなく、スポーツをした後にアイシングはケアや疲労回復に必要です。また、熱いときにスポーツ飲料を飲むときにもロックアイスを使わせていただき、みんな喜んでおります。

 


伊藤 領キャプテン
あらためて新ユニフォームを見て、自覚と責任を持つという意味で身の引き締まるような思いと、皆さんの前で早くこのユニフォームを着てプレーしたいという気持ちです。身近にロックアイスがあるということは、選手からしても日々アイシングなどのケアだったり練習での取り組みも毎日使うことなので、最高を目指す選手としては当たり前ではない環境だと思います。

 


大倉颯太
ロックアイスさんと一緒に、更なる高みを目指していきたいと思います。よろしくお願いします。僕も速くこのユニフォームを着て試合に出たいという思いと、シュートが良く入りそうな気がします。(インカレでは)ただ勝つだけでなく僕たちの目指してきたバスケットのクォリティーで勝ちたいです。

 

写真/山岡邦彦

(月刊バスケットボール)



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