月刊バスケットボール5月号

張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

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張本天傑(29) SF 198cm/100kg 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(青山学院大学/愛知県) 東京2020オリンピック出場
キースタッツ(Bリーグ): G=14(1) M=21:17 P=7.9 FG%=45.7% 3P%=37.5% FT%=62.1% R=3.0 A=1.4 TO=1.1 S=0.36 B=0.36

G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック

 

 アンダーカテゴリーの時代から長年日本代表に参加してきた張本は、29歳の今も世界の舞台におけるチャレンジに旺盛な意欲を見せている。「次のワールドカップを目指して、自分もその一員に入りたいという思いが強いです。今回のウインドウから、しっかりと自分のできることをやってチームに貢献したいなと思っています」というのが、11月19日に行われた代表合宿中のズーム会見における所信表明。新星日本代表に、最高峰の舞台を含めた豊富な経験をもたらす貴重な存在だ。


サイズのあるスモールフォワードとして、張本はペイントで体を張ったプレーを期待できるとともに、チャンスがあれば3Pショットも積極的に狙っていける。ルーズボールなどのダーティーワークにも体ごと飛び込んでいく。オリンピックで強豪国を相手に渡り合った後、「今まで体験してきた世界のフィジカルをしっかりアピールして、まずはディフェンスからしっかりと」と自らに言い聞かせるようなコメントをしている。そうした意欲に火をつけるような体験の余韻があるのだろう。「自分自身の五輪までの目標がオリンピックに出ることだったので、それができたことは自分にとってすごくプラスになっています」


対中国戦をにらむ視点からは、FIBAアジアカップ2021予選で対戦した経験も生きそうだ。会見ではこの対戦に向けて「特別な思いがないと言えばうそになる」とも語っており、雪辱を果たす機会にプラスアルファのモティベーションも持っている様子だった。

 

 B1の今シーズンにおける数字は、今回集まった代表候補の中で突出してはいないが、それは出場時間が比較的短いことが影響しているだろう。平均21分17秒の出場で、40%台の3P成功率で7.9得点、3リバウンドは堅実と呼べる内容だ。


円熟味を増したという表現は、キャリアの長期化が進む現代のバスケットボール界で張本の年代に対してはやや早いかもしれないが、後輩たちに伝えられるものは山ほどあるに違いない。同時にそれをコート上で表現することで、大きな貢献をもたらすことができる。頼りがいのあるベテランとして成長を続けているプレーヤーだ。

 

張本は東京2020オリンピックの舞台でも期待に応える奮闘ぶりを見せていた(写真/©fiba.basketball)

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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