月刊バスケットボール5月号

竹内公輔(宇都宮ブレックス) - FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window1男子日本代表候補名鑑

竹内公輔(36) PF 206cm/100kg 宇都宮ブレックス(慶応義塾大学/大阪府) FIBAワールドカップ2019出場
キースタッツ(Bリーグ): G=14(0) M=14:16 P=3.8 FG%=51.3% 3P%=22.2% FT%=78.6% R=2.1 A=0.9 TO=0.5 S=0.29 B=0.36
G=出場試合数(先発回数) M=出場時間 P=得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3P成功率 FT%=フリースロー成功率 R=リバウンド数 A=アシスト TO=ターンオーバー S=スティール B=ブロック


竹内は今回招集された24人の代表候補の中で最年長であり、シェーファー アヴィ幸樹(シーホース三河)と並ぶ最長身だ。国内はいうまでもなく、国際経験も豊富。今夏の東京2020オリンピックに向けた代表選考では最終的にロスター入りできなかったが、2年前のFIBAワールドカップ2019 では世界の強豪を相手に3試合戦っている。


今回の招集を受け、実は、最初は辞退しようと思っていたそうだ。11月22日に行われた男子日本代表のズーム会見で竹内は、「代表をねらうのはオリンピックまでと思っていました」と、いつのまにか自分の中に芽生えていた思いを語った。「年齢的にもそろそろそういう時期なのかなと、勝手に自分で決めつけていました。そろそろ下の選手にお願いしてもいいんじゃないかなと」。ずっと前から自分の中で、勝手に決めていたことだったという。


竹内自身が選ばれることで、今後を背負っていく若手が経験を積む機会を奪ってしまうという思いもあった。そうなってしまうのも「申し訳ない」と竹内は言う。しかしバスケットボールのキャリア自体から身を引くような考えではまったくなく、「東京2020オリンピックの代表に残れなかった後は「悔しくて、自分のクラブでの活躍に向けての気持ちに切り替えました」と話し、ベテランとしてまだまだ進化し続ける意欲を燃やしている。


しかも、「正直選ばれるとも思っていなかった」という状況で招集の声がかかったあと、レバンガ北海道との対戦の機会に、同クラブの代表取締役社長で日本代表の大先輩にあたる折茂武彦氏と、現在ヘッドコーチを務めている佐古賢一氏と話したことで、気持ちに変化が起きた。「佐古さんはあまり時間がなくて、ちょっとしゃべっただけなんですけど。折茂さんも36-37歳の、今の僕と同じ年齢のときに代表に入っていたので、どういう気持ちで代表にいったのかを聞けたのが大きかったです」。そうした周囲からのアドバイスを聞くうちに、「必要とされているなら今回は」と参加を決めたのだ。

 

竹内は折茂との会話からもインスピレーションを得て、代表への再挑戦を決めたという(©JBA)

 

 竹内の招集は、特に今回パワーフォワードとセンターで招集された6人の顔ぶれを見たときに、直近の対戦はもちろんのこと、中長期的にも価値のある要素と感じられる。どのようにスキルを広げ、高めてきたか、どんな思いでフロントラインの軸として代表をけん引してきたのかといったことを、コート内外でのメンタリングによりもたらすことができるからだ。

 

 ただしホーバスHCはそれをことさらその部分に重きを置いて竹内を呼んだわけではないだろう。206cmの高さと国際舞台の経験はコート上で生きる。多面的な貢献でチーム力を高められる存在になってくれそうだ。

 

文/柴田健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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