【インタビュー】藤田 将弘氏(日体大男子監督)が語る 「リバウンド後にどうやって攻撃に移っていくのか」②
現役時代はトップチームでプレーし、その後もヘッドコーチを務め、現在は大学を指導する藤田氏。「コートの大きさ(スペーシング)によってディフェンスも変わってくるので、その部分を理解して攻撃につなげられるかがポイントになる」(藤田氏)。トランジションを意識しながらオフェンスしていくのは現在の潮流だが、その本質を見抜いてプレーしているチームは少ない。コーチだけでなく、選手にも知ってほしいこと、練習方法などを聞いてみた。
藤田将弘氏インタビュー②
【オフェンスの初動(動き始め、攻防の切り替え直後)ではチームディフェンスにはならない】
※①の続き
――プレーヤーはさまざまなプレーにおいて、状況判断することが重要になってくるということですね。
「状況判断は重要です。ディフェンス側からの視点で見ると、トランジションはプレーヤーについていきますが、ハーフコートはボールを守る…この時点でバスケットボールは非常に難しくなっていくのですが…(笑)。
裏を返せば、オフェンスの初動時に、いかにボールを前へと動かすのかがポイントになると思っています。5人でフロアバランスが取れている状態であれば、仮にディフェンスに対峙されていてもボールを前に飛ばすことが可能になります。それは空間(スペース)があるからです」
――ハーフコートにオフェンスが入れば、チームディフェンスが始まるということですか?
「オフェンスの初動(動き始め、攻防の切り替え直後)ではチームディフェンスにはなりません。1対1からチームディフェンスに入るまでがチャンスになるのです。チームディフェンスになって初めて、ジャンプ・トゥ・ザ・ボールやヘルプポジションが出てきます。これはトランジションの初動にはないものです」
――チームディフェンスになる前、つまりオフェンスが有利である1対1の状況で攻撃すると…。
「ディフェンス側としては、1対1では不利な状況にあります。だからこそチームディフェンスに移りたいのですが、オフェンスはその間を攻撃していくことで1対1での優位性を生かすことができると考えています」
――ちなみに、日体大(男子)の場合はどうでしょうか?
「幸い、日体大のガード陣は能力が高いので、ボールを飛ばしたり、自ら行ったりするのは半々ぐらいの割合だと思います。それによって、パスエントリ―やドリブルエントリ―など、さまざまな攻撃パターン生まれています。それによって、モーションオフェンスへと入っていく初動の順番が変わっていくことになります。ウイングへ縦のパスをする場合もありますし、横へパスする場合なども出てきます」 ※③へ続く
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(月刊バスケットボール)