月刊バスケットボール5月号

大黒柱の不在をカバーし、福岡大附大濠が福岡第一との福岡頂上決戦を制す!

この試合でも勝負強さはさすがだった福岡大附大濠#13中田   福岡大附大濠と福岡第一、常に福岡の覇権を争ってきたライバルだが、今夏のインターハイでは大濠が優勝、福岡第一が3位と、共に好成績を記録。昨年は福岡第一が大会を制したことを考えると、福岡のレベルの高さは“さすが”と言える。

そんな両校が11月3日に行われたウインターカップ県予選の決勝で対戦した。
大濠がインターハイで優勝したことでウインターカップへの出場権を獲得し、福岡第一もこの県予選で決勝に進出し本戦への出場を決めた。
悪い言い方をすればこの決勝は“消化試合”ではあるが、福岡で対戦する最後の戦い。両チームにとってはウインターカップの前しょう戦となり、福岡の王者を懸けた一戦となった。
 
試合は大濠が#4永野、#8中崎の得点で先制するが、開始僅か1分で大黒柱の#15井上が2つのファウルを犯してしまう。それでもインターハイでも見せたチーム力で井上の穴埋めに成功し、2Qの立ち上がりで大濠が25-19とリードを広げる。

1年生の福岡第一#8河村は速い展開をもたらした  

しかし徐々にほころびが見え始め、福岡第一は#8河村がスピードを生かして追随。ルーキーが起点となり、得意の速い展開から#24松崎、#31松本の得点で逆転に成功し、41-36と福岡第一がリードして前半を終える。  
序盤のリードを保つことができず、5点ビハインドとなった大濠だが、井上がいなかったことを考えれば及第点と言える点差だった。
実際、後半から井上がコートに戻ると、#14横地と合わせてしっかりリバウンドを奪取。そこから井上自身のリング下や#13中田の3Pシュートで大濠が流れを手繰り寄せていく。
福岡第一も松本、松崎の個人技で粘り、3Qは56−53で大濠がリードと、どちらも譲らない。

積極的に攻めた福岡第一#31松本  

勝負の4Q、ここでのポイントは、ボールへの執着心だった。大濠は大きな選手に頼ることなく、全員でリバウンドやルーズボールに絡み、幾度となくチャンスをモノにしていく。インターハイ同様、そうした粘り強さがじわりじわりと福岡第一を追い込み、点差を広げていった。
対する福岡第一だがミスが目立ち、オフェンスが単発になり#50ジョナサンのインサイドでつないでいくのが精一杯。大濠は中田と#12土家の2ガード仕様が機能し、ミスなく攻撃を展開する。
終盤のファウルゲームにも正確にフリースローを沈め、福岡第一に付け入る隙を与えなかった。

ひたむきにリングを目指し、フリースローを沈めた福岡大附大濠#12土家  

井上を欠く時間は長かったが、最後までチームバスケットを貫いた大濠が76−65で福岡第一に勝利、福岡王者に輝いた。
今年の直接対決は星を分け合っていたが、県内で行われる直接対決に勝利した大濠。
ウインターカップでも対戦が十分考えられるため、この福岡頂上決戦の続きは、12月、東京体育館で見られることを期待したい。
 
(月刊バスケットボール編集部)


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