月刊バスケットボール5月号

学生

2021.10.29

豪州帰りの岡島和真が残り26.6秒から7連続得点で三遠U18が逆転勝ち【B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2021】

 墨田区総合体育館で開幕したB.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2021。16チームがノックダウンで争う形式で、3位決定戦、5位決定戦もあるが、本日は1回戦8試合、2回戦4試合が行われた。

 

 そのうち、大接戦となったのが三遠ネオフェニックスU18×宇都宮ブレックスU18の2回戦。4Q残り5分45秒で57‐57の同点だったが、その後、宇都宮U18が#14大森朝陽、#12根本晃、#17西村月冴のドライブなどで65-59とリードを奪う。三遠U18も#14齋藤湊の3Pで追うが、残り26.6秒で宇都宮が67‐63と4点のリード。

 

 三遠U18にとっては望み薄の流れだったが、ここで3Pシュートを沈めたのが#10岡島和真。1回戦でも得点源として活躍していた岡島は、疲労がたまりこの2回戦では3Q終了時に足をつって倒れこんでいた。それでも、「チームが一丸となって戦っていたので、足をつっていてもエースとしてしっかり仕事をしなければ」と4Qもプレー。4Qでも再び足をつり一度はベンチに下がったものの、勝負所で3Pシュートを決めてみせたのだ。

 

 しかしまだ66‐67と1点ビハインドの三遠U18。残り20秒を切っていたので、宇都宮U18は時間を使って逃げ切るか確実に2点を取れば良かったのだが、ここでも「点差を詰めると相手は焦ってくると思っていました。冷静になって相手の視点になって考えました」と相手のパスコートを読みスティールしたのは#10岡島。そのまま自らがボールを運んで速攻のレイアップを決め、68‐67と逆転に成功する。

 

 その後、相手のパスミスでボールを保持し、ファウルで得た2本のフリースローをきっちり決めたのも#10岡島。結局、三遠U18が70‐67で勝利した。実は#10岡島、中学卒業後にオーストラリアのパースにバスケ留学。この9月に現地の高校を卒業して帰国しチームに合流したばかりだが、残り26.6秒から一人で7連続得点しチームに大逆転勝利をもたらした強くて冷静なマインドは、バスケ留学によって得たものに違いない。

 

取材・文/高木希武(月刊バスケットボール)

写真/山岡邦彦



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