月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.10.25

辻 直人21得点、広島ドラゴンフライズが4連勝でB1全体トップの座を守る

 広島ドラゴンフライズが、10月24日に京都ハンナリーズを延長の末85-77で下し、連勝を4に伸ばした。ホームでは6連勝。前日の同じ対戦で勝利した時点で6勝1敗の成績がB1全体のトップだったが、この日はもう一つ白星を重ねその座を守った。主力の一人であるアイザイア・マーフィーを欠く中、今シーズン7勝目を手にした広島は、B1全体の最下位(9勝46敗)に終わった昨シーズンの勝利数にあと2つで早くも到達する勢いだ。

 

クラッチぶりを発揮して勝利を手繰り寄せた辻(写真/©B.LEAGUE)

 

ホームでは6連勝


試合開始後、先制したのは京都。加藤寿一の3Pショット、ジェロウム・ティルマンと満田丈太郎のフリーフローで6-0とリードを奪った。広島の最初の得点は、辻 直人が3Pショットに対するファウルで得たフリースロー。辻が3本すべてを成功させ3-6とすると、その後は両チームともなかなか得点を獲れない展開となった。


広島が17-14とリードして始まった第2Qは、チャールズ・ジャクソン、船生誠也のフィールドゴールで広島が好スタートを切った。京都はジャスティン・ハーパーがこのクォーターだけで14得点の活躍を見せたが、広島もニック・メイヨが3Pショットアテンプト3本すべてを決め応戦。朝山正悟と辻も3Pショットを1本ずつ決めるなどハーフタイムまでに46-40とリードを6点に広げた。


後半が始まると、京都が加藤の3Pショットと鈴木達也のミドルジャンパーで追い上げる一方、広島は約3分半にわたり得点が止まってしまう。46-45の広島1点リードとなってからは、クォーターの残り1分を切ってジャクソンがペイントで押し込んで62-57とリードを5点に広げるまで一進一退の攻防となった。

 

激闘、辻の勝負強さが光る


緊迫した展開は第4Qに入っても続き、京都は残り3分46秒に細川一輝の3Pショットで67-65と逆転に成功。しかし広島は辻がバスケットカウントを含む5連続得点。さらに残り1分20秒には、グレゴリー・エチェニケがオフェンスリバウンドからのプットバックでファウルを受けて得たフリースロー2本を決め72-69と優位に立った。それでも京都は、ハーパーが残り1分を切ってからバスケットカウントとアンドワンのフリースローを沈めて72-72の同点とし、延長戦に持ち込んだ。


何とか粘った京都は、延長に入るとティルマンの得点で先行。しかし寺嶋 良のミドルショットで74-74と追いついた広島は、ここから辻が7連続得点とクラッチぶりを発揮し、一気に81-74と流れを引き寄せた。勝負どころでのエースの活躍がモノを言い、最終的には広島が85-77で押し切った。

 

 広島のトップスコアラーは辻で、21得点に加え4リバウンド、3アシスト。メイヨが17得点と8リバウンドで続き、ジャクソンも15得点を奪った。青木の7アシストも光る。京都はハーパーが33得点、13リバウンドと大暴れで、鈴木がアシスト10本を記録したが勝利には届かなかった。


試合後、京都の小川伸也HCは、「(前日の敗戦から)いろいろと修正した中で、選手は全力で答えてくれ、彼らのできるベストを尽くしてくれたと思う。その戦いぶりに関して満足しているし、結果が出なかったのは僕の責任。ただ選手の頑張りについては素晴らしく、誇らしく思う」とプレーヤーたちをねぎらっていた。

 

 激闘を制した広島のカイル・ミリングHCは、「本当に厳しい戦いだった。連続の追い上げで両チームともに、体力的にも、メンタル的にも疲れていた。京都はメインのビックマンが欠けていて、アウトサイド中心のまったく違うスタイルの展開だった。厳しい戦いだったが、勝利がすべてだと思っているので、琉球戦もしっかり準備していきたい」と熱戦を振り返った。また、気持ちの入ったプレーでチームをけん引した辻は、「(延長では)勝ちたいという思いが強かった。それがあのようなプレーに繋がった。延長まではアウトサイドから決まらなかったが、それでも打ち続けた結果、相手もそれを警戒してきて裏をかいた形になった。リングにアタックすることが有効的となり、流れに乗ったプレーに繋がった」と話し、勝利をかみしめていた。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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