月刊バスケットボール5月号

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2021.10.21

ゴンザガ大が1位 - NCAA男子バスケ、2021-22プレシーズンランキング

 AP通信社が、NCAA男子カレッジバスケットボールの2021-22シーズン開幕前時点でのランキング(アメリカ時間10月18日付)を発表した。トップに立っているのは八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)の母校で、技巧派ビッグマンとして注目を集めるドリュー・ティミーを擁するゴンザガ大。2位には今春NCAAトーナメントのファイナルフォーでそのゴンザガ大と死闘を演じた名門UCLAが続く。UCLAでは201cmの長身ガード、ジョニー・ジューザングが全米でも注目を集める存在だ。また、同大会で優勝したベイラー大は8位につけている。


NCAA男子バスケットボールの公式なシーズン開幕は、の11月9日(火=アメリカ時間、以下同)で、各チームのエキジビション・ゲームはそれ以前に始まっている。シーズンのクライマックスとなるNCAAトーナメントは、2022年3月15日(火)に開幕し、ニューオーリンズで開催されるファイナルフォーは4月2日(土)にセミファイナル、そして4月4日(月)がファイナルとなっている。


☆NCAAバスケットボール 2021-22プレシーズンランキング
※表記はランク、チーム(カンファレンス)、得点(1位投票数)

 

1 ゴンザガ大学(ウエストコースト) 1,562(55)
2 UCLA(パック12) 1,459(8)
3 カンザス大学(ビッグ12) 1,427
4 ビラノバ大学(ビッグイースト) 1,332
5 テキサス大学(ビッグ12) 1,315
6 ミシガン大学(ビッグテン) 1,255
7 パデュー大学(ビッグテン) 1,213
8 ベイラー大学(ビッグ12) 992
9 デューク大学(アトランティック・コースト) 963
10 ケンタッキー大学(サウスイースタン) 894
11 イリノイ大学(ビッグテン) 861
12 メンフィス大学(アメリカン・アスレティック) 831
13 オレゴン大学(パック12) 775
14 アラバマ大学(サウスイースタン) 713
15 ヒューストン大学(アメリカン・アスレティック) 694
16 アーカンソー大学(サウスイースタン) 673
17 オハイオ州立大学(ビッグテン) 581
18 テネシー大学(サウスイースタン) 563
19 ノースキャロライナ大学(アトランティック・コースト) 547
20 フロリダ州立大学(アトランティック・コースト) 381
21 メリーランド大学(ビッグテン) 294
22 オーバーン大学(サウスイースタン) 267
23 セント・ボナベンチャー大学(アトランティック10) 238
24 コネティカット大学(ビッグイースト) 161
25 バージニア大学(アトランティック・コースト) 125

このほかの得票チーム: ミシガン州立大学 87, インディアナ大学 41, 南カリフォルニア大学 30, アリゾナ大学 26, バージニア工科大学 25, オクラホマ州立大学 25, ゼイビア大学 22, テキサス工科大学 17, リッチモンド大学 13, ラトガース大学 11, コロラド州立大学 11, ルイジアナ州立大学 7, ベルモント大学 7, サンディエゴ州立大学 5, セント・ジョンズ大学 5, ミシシッピ州立大学 5, シラキュース大学 5, ドレイク大学 4, コロラド大学 4, ブリガムヤング大学 3, ノートルダム大学 3, ルイビル大学 3


コーチK有終のシーズン、デューク大は全米9位からスタート

 

 今シーズンのNCAA男子バスケットボールシーンも例年同様に見どころが多いが、中でも今シーズン限りでの引退を公表している“コーチK”ことマイク・シャシェフスキーHC率いるデューク大(プレシーズンランク9位)が、最後にどのようなシーズンを過ごすかは世界中のバスケットボール関係者の関心事だ。通算1170勝はディビジョンIの最多勝記録。同大での5度のNCAAチャンピオンシップ獲得は、UCLAを10度王座に導いたジョン・ウォデンに次ぐ歴代2位。アメリカ代表HCとしても、オリンピックで3大会連続金メダル(2008北京大会、2012ロンドン大会、2016リオ大会)、FIBAワールドカップで2大会連続金メダル(2010トルコ大会、2014スペイン大会)と輝かしい成績を残した。最後にもう一度、ブルーデビルズ(デューク大のニックネーム)を頂点に導くことができるとしたら、世界は想像できないほどの熱狂に包まれるに違いない。


ほかにもバンダービルト大のスコッティ・ピペンJr. (NBAレジェンドの息子)がサウスイースタン・カンファレンスのプレシーズン最優秀プレーヤーに選ばれていたり、同カンファレンス所属のルイジアナ州大でシャキール・オニールの息子のシャリーフが活躍を期待されていたりと、NBAに詳しいファンにとっても楽しめる要素がある。心配なところでは、ゴンザガ大のマーク・フューHCが飲酒運転で有罪判決を受け、シーズン開幕戦で指揮を執ることができないというニュースも報じられている。

 

富永啓生とネブラスカ大も注目の存在


日本のバスケットボールファンと関係者にとっては、東京2020オリンピックで3x3日本代表として活躍した富永啓生が所属するネブラスカ大(ビッグテン)の動向も非常に大きな注目事項だろう。元NBAプレーヤーのフレッド・ホイバーグHCが率いる同大のプログラムは、現在再構築過程にあり、昨シーズンは通算7勝20敗、ビッグテン・カンファレンス内では3勝16敗で14チーム中の最下位に沈んでいた。昨シーズン終了時点のネットランキング(全米の大学を対戦スケジュールと勝敗成績で順位付けするランキング)は129位だ。

 

 ただし今シーズンは上昇を期待できる要素が多くある。中でもホイバーグHCが期待を寄せているのが、3Pショットとプレーメイクに関する戦力アップだ。

 

東京2020では、KO弾2発を含むクラッチ・」シューターぶりをいかんなく発揮した富永。持ち味を生かせればネブラスカ大の躍進だけでなく、NBA入りへの道も開けてくるだろう(写真/©fiba.basketball)


10月7日に行われたビッグテン・カンファレンスのメディアデーでホイバーグHCは、「我々は今、非常に楽しみな転入生たちを迎え入れたところです」と、富永を含むプレーヤーの名を挙げながら話した。「C.J.ウィルチャー、キーオン・エドワーズ、ケイセイ・トミナガ…。この3人はスペーシングを助けショットを決め、プレーメイクができます。我々の最大の改善点はペリメーター・シューティングとプレーメイクなんですよ」という言葉を聞けば、富永がすでにホイバーグHCの信頼を勝ち得ていることが感じられるというものだ。


同大からは今夏、ダラノ・バントンがトロント・ラプターズのドラフト2巡目16位(全体46位)指名を受け、2021-22シーズン開幕ロスター入りを果たした。富永にごく近い将来、同様のチャンスを期待しても何らおかしくはない。“和製ステフィン・カリー”がNCAAディビジョンIの舞台で飛躍する姿を期待しよう。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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