月刊バスケットボール5月号

女子日本代表、FIBA女子アジアカップ2021で5連覇達成

(写真/©fiba.asiacup2021)


FIBA女子アジアカップ2021最終日の10月3日、日本代表は決勝戦で中国代表と対戦し、78-73で勝利し、大会5連覇を達成した。

 

日本78-73中国
日本 78(19 17 16 26)
中国 73(21 18 18 16)


日本代表は第1Q開始早々に中国の10-2とリードを広げられる厳しいスタート。しかしタイムアウト後、宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)を軸に9-2の猛攻で11-12と追い上げ、そこからは互角の勝負に持ち込んだ。宮崎は第1Qだけで13得点。このクォーターは19-21の2点を追う状況で終えた。


第2Qの序盤は日本の時間帯。オコエ桃仁花(富士通レッドウェーブ)の3Pショット、山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)のファウルをもらいながらのレイアップとフリースロー、さらに山本の3Pショット、中田珠未(ENEOSサンフラワーズ)のフリースローで11-4のランを繰り出し32-25と7点のリードを築き上げた。中国の長身センター陣のゴール下での得点力とリバウンド力を生かした追い上げに、前半終了時点では36-39と3点のビハインドだったが、流れの奪い合いの中でほぼ互角の勝負で後半に入ることができた。


後半は宮崎の3Pショットで幕を開け、日本が残り5分23秒までに13-3のランで49-42とリードを奪う。しかし終盤にミスから速攻を決められ、クォーター終了間際にリー・ユァンにブザービーターとなる3Pショットを決められ、52-57と5点を追う状態で最終クォーターへ。ブレイクで立て直した日本代表は、このクォーターの序盤に馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)がフリースロー3本と3Pショットで6連続得点。林が速攻からレイアップを2本決め、中田もゴール下で1本決めて14-4のランで66-61とリードを奪い終盤に突入した。

 

(写真/©fiba.asiacup2021)


しかし最終クォーター残り4分、再びリーの3Pショットで66-66と振り出しに戻される。残り1分2秒、ヤン・リウェイのレイアップで72-73とリードを奪われても、オコエが宮崎との連係からレイアップで取り返し、74-73、さらに最後は宮崎が残り15秒にクラッチフリースローを4本決めて78-73とし、勝負を決めた。第4Qに26得点を奪い10点差をつけてのみごとな逆転勝利。恩塚 亨HC率いる新生日本代表は、理想の姿をコート上で体現するとともに、その戦いぶりで女子バスケットボール界の新たな時代の始まりを強く印象づけた。数々のナイスプレーはとても書ききれないが、身長165cmの山本が、ゴール下で得点に向かう相手の200cmのプレーヤーに飛びつきボールを奪うシーンなど、世界に誇ることができる躍動感を感じさせるシーンがいくつもあった。

 

(写真/©fiba.asiacup2021)

 

 日本代表は宮崎が26得点に11アシスト、7リバウンド。オコエも21得点を記録した。13得点を挙げた馬瓜はルーズボールやリバウンドで良くボールに絡む姿がチームに力をもたらしていた。宮崎と赤穂ひまわり(デンソーアイリス)は、大会のベストファイブに選ばれた。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

 



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