月刊バスケットボール5月号

恩塚ジャパン、FIBA女子アジアカップ2021初戦でインド代表に快勝

ゲームハイの27得点を記録した宮下。チームとしての上々のスタートに貢献した(写真/@fibaasiacup)


全員得点、全員リバウンド。3P成功率51.1%(24/47)、2P成功率71.1%(27/38)。新生女子日本代表は、勝つべきチームにほぼ望み通りの形で勝利した。「ほぼ」と付くのは試合後に恩塚 亨HCが、序盤の固さと46失点を許したディフェンス面の課題認識を明らかにしていたことによる。プレスディフェンスでヘルプサイドが緩み裏を突かれるようなケースが気になったとのことで、28日(火)の次戦のニュージーランド代表との試合では、しっかり勝利するとともに、インド代表との対戦で見つかった課題点をさらにチューンアップしていく必要はありそうだ。

 

 とはいえ、新チームの初戦として、大きな懸念事項はなかったのではないだろうか。会見での恩塚HCは、「若くてこの大会での経験もない選手もいて、はじめは少し固いところもあったんですが、キャプテンの林 咲希選手(ENEOSサンフラワーズ)を中心に、しだいに日本らしいバスケットボールができました」と幸先の良い勝利に素直な喜びを表していた。林も「40分間一人一人がやるべきことを考えてプレーでき、明日につながる試合になりました」とのコメントを残している。


日本(1勝)136-46インド(1敗)
日本 136(41 25 38 32)
インド 46(14 11 14 07)

 

 一方、インド代表のアシスタントを務めるミーナラタ・モハン氏は、「日本代表は最強です。ヨーロッパの強豪を倒してしまうのですから、我々のかなう相手ではありません」と苦笑いを浮かべながら答えていた。FIBA世界ランキング8位の日本に対して自チームは同70位。「我々としては、最後まで戦い続けられたことが良かった点です」と話し、この対戦を前向きにとらえていた。

 

13得点、6リバウンド、6アシスト、そして+53という驚くべき数字を残した永田萌絵(写真/©fiba.asiacup)


日本代表のトップスコアラーは宮下希保(トヨタ自動車アンテロープス)で27得点。オコエ桃仁花(富士通レッドウェーブ)が24得点全体で続き、チーム全体では6人が2ケタ得点を記録した。宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)は得点こそ3得点にとどまったが、12アシストでチームをけん引。アシストに関しては、チームの10人が少なくとも1本を記録した。宮下と永田萌絵(トヨタ自動車アンテロープス)、東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)の3人は、±で+53という驚くべき数字を記録している。

 

恩塚ジャパンは大会初戦を勝利で飾った(写真/©fibaasiacup)


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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