月刊バスケットボール5月号

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2021.09.25

安間志織に寄せる自信 - ハラルド・ヤンソンHC(独ブンデスリーガ、アイスフォーゲル)とのQ&A

 安間志織を日本から受け入れた、ドイツ女子ブンデスリーガのアイスフォーゲルUSCフライベルクでヘッドコーチを務めるハラルド・ヤンソン氏に、安間に対する評価を聞いた。

 

ハラルド・ヤンソンHCは安間に大きな信頼を寄せている(Photo courtesy of Eisvögel USC Freiburg)

 

 ヤンソンHCはアイスフォーゲルで長くユースチームの育成担当を務めた経歴があり、プレーヤーを受け入れて育てる手腕については高い評判があるコーチのようだ。自身の特徴についてヤンソンHCは、「プレーヤーを第一に考えるコーチ」と説明した。


バスケットボールが盛んだというアシャッフェンブルグ(ドイツ中部のバイエルン州にある町)で育った若かりし日から、「バスケットボールは生活の一部でした」というほど、バスケットボールの魅力に取りつかれたヤンセンHCは、育成に携わる過程で自分からの押しつけにならない指導方法を学んだようだ。それは、「チームとして志向するスタイルは、プレーヤーの特徴によって変わる」という言葉から感じられる。現在のチームでは「フルコートを守って素早く攻め上がるスタイルを志向しています」と教えてくれたが、その中で安間の特徴が非常に効果を上げるだろうことは、安間のトヨタ自動車アンテロープス時代のプレーぶりからも想像がつく。


今シーズン中に成し遂げたいこととしては、「我々として可能な最高レベルの練習をすること」を挙げた。「コンディションさえよければ、結果は自動的についてくる」という答えから、自らの手法と現在のロスターに対する。自身が感じられる。


安間については、長いつきあいのあるエージェントからの推薦があったという。その後プレーする様子を見て、「試合をコントロールする能力が高く、運動能力もバランスも良いですね。それに、新しいことへの挑戦に喜んで臨むことができる点も良いと思いました」と答えた。日本のバスケットボールについては、「まもなく、WNBAで日本人プレーヤーが活躍するようになると思いますよ」と非常に高い評価をしていた。それは、東京2020オリンピックの結果だけではなく、練習やウォームアップゲームで安間が見せるプレーぶりからも感じていることに違いない。

 

 「彼女(安間)はこのリーグで支配的なポイントガードになれると思っています。毎日進化し、我々の文化から学び、言葉(英語・ドイツ語)も身に付けていくことでしょう。徐々に発言力が高まっていくと思っています」


安間はアイスフォーゲルでは最も小柄なプレーヤーだが、サイズについてはまったく懸念はないとも答えた。コート上の分身として、安間のリーダーシップとスキルに、早くも全幅の信頼を置いていることが伝わってきた。

 

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取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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