月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.09.18

シェーファー アヴィ幸樹(シーホース三河)、2021-22シーズンはベストファイブを目指す

 今、日本のビッグマンの中でも注目を浴びているプレーヤーの一人、シェーファー アヴィ幸樹(シーホース三河)。身長206cm、体重106kgの23歳は、過去7年間で最も成長したプレーヤーの一人だ。


バスケットボールを始めたのは高校生になってから。しかしそこからのキャリア転換には、目を見張るスピード感がある。急激な成長の足がかりとなったのは東京を拠点とするTokyo Samurai(トウキョウサムライ)というAAU組織(Amateur Athletic Union=若年世代の育成に主眼を置くアメリカのスポーツ団体)でのワークアウト。そこで日本代表との練習試合に臨む機会を得た際に好プレーを披露したことで、その後のアンダーカテゴリー日本代表入り、NCAAディビジョンIの名門ジョージア工科大学へのウォークオンとしての進学への道が切り開かれていった。


同大で、本場アメリカでプロキャリアを目指す同年代のトッププレーヤーたちに接し、自らの立ち位置も確認したシェーファーは、2シーズン目の途中だった2018年12月に帰国し、アルバルク東京でプロとしてのキャリアをスタートさせた。現在のシーホース三河はプロとして3チーム目。競技参加から今日まで、7年の間にビギナーからプロへ、またワールドカップ・プレーヤー、オリンピアンへと飛躍を遂げている。


シェーファーに不可能はない。これまでのキャリアを振り返って感じるのは、無限のポテンシャルだ。

 

アンダーアーマー主催のイベントで、シェーファーはメディアの質問に明るい笑顔で答えた。シューズのこだわりは「ビッグマンのポジションは、人がたくさんいるインサイドでジャンプすることが多くなるので、しっかりカバーしてくれる安定感がポイント」とのこと

 

 このオフ、シェーファーが所属する三河のロスターには大きな動きがあった。金丸晃輔(現島根スサノオマジック)、川村卓也(現西宮ストークス)というベテランがチームを去り、橋本晃佑、角野亮伍といった若手があらたに加入している。新チームについてシェーファーは、「かなりメンバーが変わり、チームとしては若返りました。昨シーズンまでは金丸晃輔選手中心にオフェンスが作られていたので、その点で大きく違います。試行錯誤しながら、チームメイトとコミュニケーションをとりながらやっています」と話した。


会話をしたのは8月29日。アンダーアーマー チャリティーオークション開始初日のオンラインライブトークショー後のタイミングで、チームが始動してまだ間もない時期。その時点では、「まだケミストリーを上げて連係を高めていく段階で、どうなっていくかはわからないですが、若返ったこともあって声も出て良い雰囲気でできています。今までのシーホース三河とは違うチームになるかなと感じています」とのことだった。


チームの仕上がりや戦術、プレーヤーの起用方法などのアプローチは今後の楽しみだ。ただし、シェーファーが並々ならぬ意欲を胸に秘めていることだけは間違いない。このインタビューで若きビッグマンは2つ3つ、非常に重要な言葉を発していたからだ。


「どのチームも同じだと思いますが、優勝したいです。そのためにまずはチャンピオンシップに出ることがとりあえずの目標。3年連続で準決勝敗退に終わっている天皇杯で、その先に進みたい気持ちも強いです。個人的にはベストファイブ! かなり大きく、遠いかもしれませんが、それを目標にしています」


リーグ制覇。天皇杯獲得。ベストファイブ。どれも「遠いかもしれない」とはまったく思わない。


ここからは提案だ。来シーズン、NBA入りを目指してはどうだろう。


ワールドクラスのストレッチビッグだと言い張るには実績が足りないが、バスケットボールを始めてたったの7年で、Bリーグの強豪チームで主力として3P成功率35.9%、平均9.5得点、4.7リバウンドの数字を残すまでに飛躍した。東京2020オリンピックで、世界のトップの本気も感じた。


こんなキャリアを構築できるプレーヤーはそうそういない。次の7年間は、「かなり大きく、遠い」と思っていた場所が、いつの間にか当たり前のように自分の居場所になっているのではないだろうか。ここまでの経過は、シェーファー にそのポテンシャルがあることを強く感じさせている。

 

 

☆アンダーアーマー チャリティーオークション ライブトークショーは下の画像クリックで閲覧可能

参加: 辻 直人(広島ドラゴンフライズ)、岸本隆一(琉球ゴールデンキングス)、シェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)、宇都直輝(富山グラウジーズ)

MC: 今井麻椰

 

 

☆シェーファー アヴィ幸樹も出品中のアンダーアーマーチャリティーオークションサイト:

https://auction.hattrick.world/top/226

 

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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