月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.09.17

広島vs島根、B1西地区注目チーム同士の対戦は島根に軍配

 9月16日にエフピコアリーナふくやまで行われたBリーグ2021-22プレシーズンゲームで、広島ドラゴンフライズと島根スサノオマジックが激突。ともにB1西区で、大型補強をして新シーズンに臨むチーム同士の注目の対戦は、アウェイの島根が93-83で広島に勝利した。

 

☆Bリーグ2021-22 プレシーズンゲーム試合結果(9月16日、エフピコアリーナふくやま)
広島ドラゴンフライズ 83(26 24 15 18)
島根スサノオマジック 93(23 13 28 29)


両チームのスターターは、広島が朝山正悟、辻 直人、青木保憲、グレゴリー・エチェニケ、ニック・メイヨ。対する島根は安藤誓哉、ニック・ケイ、リード・トラビス、阿部 諒、金丸晃輔の5人。いずれもオフに獲得した注目の新戦力を投入し、レギュラーシーズン開幕に向け緊迫感の高まりを感じさせるスタートだった。

 

 先制点は島根。ティップオフ直後のオフェンスで、新加入の安藤が距離のある3Pをスウィッシュさせた。この得点は金丸の3Pショットが落ちた後ケイがリバウンドを拾い、セカンドチャンスで奪ったもの。まずはやりたいオフェンスを組み立て、得点につなげた。


一方広島も、続くオフェンス機会でベースライン・インバウンドプレーから、昨シーズンまで川崎ブレイブサンダースで活躍していた辻がショートコーナーのジャンパーを沈めリズムを作る。辻はディフェンスでは金丸をマーク。Bリーグを代表するシューター同士が、あらたなユニフォームでマッチアップするシーンが実現した。

 

辻はこの試合で広島の最初の得点を含む9得点を挙げた

(写真/©Hiroshima Dragonflies)


第1Qは接戦でとなり、その後は広島がハーフタイムまでに50-36とリードを広げる展開となった。しかし後半に入ると島根が追い上げ、第4Q開始時点では広島のリードは65-64と1点のみになっていた。


島根は最終クォーター開始早々に白濱僚祐の3Pプレーで67-67と追いつき、さらにケイのフリースローで69-67と逆転に成功。以降点の取り合いとなったが、84-82の島根2点リードで突入した終盤3分間は、島根の厳しいディフェンスが広島にフィールドゴールを許さず、逆に金丸、安藤が決定的な仕事をして9-1のランで試合を締めくくった。


試合後、島根のポール・ヘナレHCは、「チームとして10日前後の準備期間の中で、短い時間でチームとしてやりたかったことはできた」と話し、仕上がりについて手ごたえを感じていた様子だった。


シーホース三河で昨シーズンのMVPに輝き、オフに島根に移籍してきた金丸は「チームとしてはまだ全然完成できていない」と正直な感想を語っていたが、「後半は素晴らしいパフォーマンスができた」と胸を張った。金丸同様、オフにアルバルク東京から移籍して島根に加わった安藤は、クラッチ3Pショットで勝利を決定づけるなどオフェンス面での活躍も光ったが、「特に後半は全員で相手のビッグマンを止めることができた」と話し、チームディフェンスに対する自信を見せていた。


一方、敗れたとはいえ序盤は主導権を握り、終盤までどちらに転ぶかわからない勝負をした広島も、まだまだ課題はあるものの完成度が上がれば非常に楽しみな状況。エチェニケが13点、チャールズ・ジャクソンとメイヨが12点、青木とトーマス・ケネディーが(11得点)と2ケタ得点プレーヤーが5人。チームでボールをシェアできおり、島根の厳しいプレッシャーの下でも意図したフィニッシュまで持っていくことはできていた印象だ。


新たに就任したカイル・ミリングHCも、この日の内容について「全体的に満足」と話し、チームの前進に自信を深めていた。

 

◼️カイル・ミリングHC試合後コメント

(写真/©Hiroshima Dragonflies)


全体的に満足している。先週のアルバルク東京戦から改善ができていると感じた。1週間でここまで改善ができるのであれば、開幕までにはもっと良くなっていくと思う。ケガ人もいる中で、選手は頑張ってくれた。

 

 相手のビッグマンに簡単にレイアップをさせなかったのはとても良かった。今後は、オフェンスリバウンドをしっかり取りに行くなどの細かい部分を改善していければと思う。相手のプレッシャーにどのように対応していくかが、今後の課題。

 

◼️朝山正悟試合後コメント

(写真/©Hiroshima Dragonflies)

 

 個人としては、まずまず。チームとしてのルールを徹底していくことを心がけた。前半部分はやりきることができ、自分たちのやりたかったディフェンスができていたが、後半はオフェンスリバウンドが立て続けに取られてしまい、ローテーション部分の連携ミスが起こってしまった。緩くなったディフェンスを我慢しきる、やりきることを徹底していきたい。

 

◼️辻 直人試合後コメント

(写真/©Hiroshima Dragonflies)

 

 チームとしてやろうとしていたことが前半はできた。特に、前回のアルバルク東京戦後の課題はクリアすることができたように思う。今日の試合を終えて、リバウンドや小さなミスなどの課題が見つかったが良い試合だった。

 

 自分としては、50%くらいの手ごたえ。合宿中ということもあり疲労などもあるので、公式戦に向けてチームの完成度を70-80%まで上げていきたい。

 

 (このチームは)島根とも対等に戦うことができるチームだと思う。今まで川崎という常勝チームでやってきて、今は伸びしろがある広島というチームで短い期間でも成長を感じおり、良い方向に向かっていると感じている。


協力&アイキャッチ画像/広島ドラゴンフライズ
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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