月刊バスケットボール10月号

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2021.09.12

豪快ブリトニー・グライナー、WNBAキャリア22発目のスラムダンク!

 日本時間9月12日(アメリカ現地時間12日)に行われたWNBAレギュラーシーズンゲームで、東京2020オリンピックにアメリカ代表として来日し、金メダルを持ち帰った203cmのビッグセンター、ブリトニー・グライナーがキャリア22発目のダンクを成功させた。グライナーはこの試合で3Pショットも成功させており、プレーヤーとしての幅広さを強くアピールした試合となった。

 

https://twitter.com/PhoenixMercury/status/1436883570279157762?s=20

 

 この試合は、現在リーグのトップを走っているコネティカット・サン(この試合を終えて24勝6敗)を、グライナーが所属するフェニックス・マーキュリー(同19勝11敗の5位)がホームに迎えて行われた一戦だった。マーキュリーもすでにプレーオフ進出を決めており、上位同士の緊迫した戦いになったが、グライナーのマーキュリーは67-76で敗れている。ちなみにマーキュリーはここまで10連勝と絶好調で、グライナーにとっては東京2020オリンピックから帰国して以来初めての敗戦だった。


グライナーのダンクが飛び出したのは、23-31と8点差を追いかける第2Q2分45秒過ぎ。グライナーが放ったミドルジャンパーがこぼれたところをゴール下で拾ったブリアナ・ターナーからのリターンパスを受け、大きく一歩ゴールに向かって前進し飛び上がると、ワンハンドで豪快にたたき込んだ。会場に集まった観衆は9811人と発表されているが、ダンクの瞬間には割れんばかりの大歓声が沸き起こった。

 

https://twitter.com/PhoenixMercury/status/1436881152338399232?s=20


これは今シーズングライナーにとって4発目のダンクで、東京2020オリンピックからの帰国後は初。キャリア全体では22発目(プレーオフでの1発、オールスターゲームでの5発を含む)だという。WNBAの25年間の歴史において、レギュラーシーズンでは過去に3度しかダンクが成功した例はない。それ自体、グライナーがどれほど稀有なタレントかを示している。

 

 試合後の会見では、グライナーと記者たちの会話が弾んでいたが、その内容はダンク自体ではなく、パンデミックの出口が近づいていることを感じさせた大観衆の様子についてのものと、WNBAの試合の視聴・配信環境の課題に関するやり取りがメインだった。というのも、この日の試合はWNBA公式アプリ(日本からも利用できる)以外では放送も配信もなかったからだ。大観衆が集まり、金メダリストが期待に応えるプレーをしているにもかかわらず、それが広く楽しんでもらえない状況に対し、グライナーは「全米のメディアはどこに行っちゃったんですかね」という趣旨の寂しげなコメントを発していた。

 

試合後の会見でのグライナー。笑顔で話しているが、ちょっと残念そうなコメントが効かれた。ちなみに着ているTシャツは、チームメイトのダイアナ・タラシがオリンピックで5つ目の金メダルを獲得したことを記念するもので、他のチームメイトも着用していた

 

 今夏の東京2020オリンピックで来日した際、グライナーは「目標は金メダル。でも、ぜひダンクも一撃披露したい」と意欲を見せていた。それはかなわなかったが、日本代表との決勝戦ではゴール下で大量30得点を荒稼ぎし、90-75の勝利の原動力となっている。大会期間中は前6試合に出場してチームトップタイの平均16.5得点、同3位の7.2リバウンドで、ブロックショットも同2位タイの1.5本という成績だった。

 

 WNBAのレギュラーシーズンでは、ここまで28試合にスターターとして出場し、平均20.8得点はリーグ2位、9.5リバウンドはリーグ4位、ブロックショット2.0本は堂々リーグトップの成績だ。

 

東京2020オリンピック決勝戦でのグライナー。203cmの高さは圧倒的だ(写真/©fiba.basketball)


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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