月刊バスケットボール5月号

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2021.09.03

車いすバスケ日本代表、9.3(金)は女子が5・6位決定戦、男子は準決勝

 大詰めを迎えている東京2020パラリンピックの車いすバスケットボール。9月3日は日本代表が男女そろって重要な一戦に臨む。

 

女子: 5・6位決定戦はカナダ代表と今大会2度目の対戦

 

 女子は3日の15時から、カナダ代表との5・6位決定戦に臨む。カナダ代表とは予選ラウンド3試合目でも対戦しており、そのときは35-61と引き離されて敗れた。日本代表はこの試合から3つ連続の黒星となっており、ぜひとも勝って借りを返したいところだ。

 

 ここまで5試合を戦った女子日本代表は、12人の登録メンバー全員が5試合すべてに出場している。初戦でオーストラリア代表を73-47で下した後、共同キャプテンの一人を務める藤井郁美(持ち点4.0)は「このチームの強みは12人全員で戦える力があるというところ、そこが出せたと思います」と話したが、その言葉を裏打ちするように、5試合で12人中10人が得点とアシストを記録し、全員がリバウンドを1本以上つかんでいる。

 

 課題の一つは得点力だ。ミドルレンジ、ロングレンジのショットが思うような確率で決められずにおり、チームとしての平均得点は48.0にとどまっている。

 

 トップスコアラーは藤井で、1試合平均11.0得点はチームで唯一の2桁アベレージ。藤井とともにキャプテンを務める網本麻里(4.5)は、やはり初戦直後に「自分たちの目指しているスコアとしては、65得点以上獲るということが課題」話していた。奇しくもカナダ代表の今大会5試合における平均得点は63得点。それを上回って勝利を手繰り寄せるには、オフェンスを網本が語ったレベルに近づけることができるかどうかがカギだ。得点がリズムよく積み重なれば、3位決定戦に進んだドイツ代表を相手に54-59と大健闘したグループA最終戦のような展開に持ち込み、今度こそ勝ち切るという流れを十分期待できる。

 

男子: メダル獲得めざし前回銅メダリストのイギリス代表に挑戦

 

 歴史を塗り替える進撃を続ける男子は、前回のリオ大会で銅メダルを獲得したイギリス代表との準決勝が20時45分にティップオフを迎える。


男子代表は、ここまでの6試合中、59得点にとどまった対韓国代表戦以外の5試合ですべて60得点以上。2桁アベレージを残している得点源が、平均15.0得点の香西宏昭(3.5)、13.2得点の秋田 啓(3.5)、12.7得点の藤本怜央(4.5)と3枚そろっている上に、鳥海連志(2.5)が平均9.3得点、10.0リバウンド、7.5アシストとオールラウンドな活躍を見せている。また、平均6.5得点の古沢拓也(3.0)も重要局面で期待に応える一本を決めており、キャプテンの豊島 英(2.0)は平均得点こそ2.3と高くないものの、フィールドゴール成功率が64%という堅実さだ。

 

 ディフェンス・リバウンドや相手のターンオーバーから一気に攻め上がり速攻で得点するケース、逆に得点後やボールを奪われた直後の切り替えの素早さが目立ち、トランジションの良さが好成績の一つの要因だ。この点でイギリス代表と比較すると、速攻での得点は日本の10.2に対しイギリス代表は2.8。また、ターンオーバーからの得点に関しても、11.3の日本代表が9.8のイギリス代表を上回っている。

 

 対戦相手のイギリス代表は、予選ラウンドではグループBを4勝1敗の成績で首位通過した。4勝の中には、準々決勝で日本代表が61-55で破ったオーストラリア代表が含まれているが、両者の対戦は70-69の1点差だ。

 

 ベスト8進出、初の4強入り。チームとしての好調さも対戦成績に関するデータも、男子日本代表と日本の車いすバスケットボールがさらに前進できる可能性を感じさせる。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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