車いすバスケ男子日本代表、強豪オーストラリア代表倒して世界の4強入り!
東京2020パラリンピックの車いすバスケットボール第8日目の9月1日、男子日本代表があらたな歴史を作った。準々決勝の舞台で強豪オーストラリア代表を破り、史上初のベスト4進出を決めたのだ。
日本代表は、鳥海連志(持ち点2.5)の右コーナーからのショットで先制すると、その後の点の取り合いでも引かずに対抗。14-14の同点で突入した第2Qには香西宏昭(3.5)が3Pショット2本成功を含む14得点と爆発し、優位な展開に持ち込んだ。クォーター半ばのタイムアウトでは、その香西が「40分だよ、40分!」と気を引き締める声をかけるシーンも。そうした心持が効果を挙げてか、開始から3分間得点できない我慢の展開だった第3Qも、日本代表はチームディフェンスを引き締めオーストラリア代表の反撃を許さなかった。
後半開始時のリードを3点広げ、47-39として迎えた最終クォーターも、半ば以降は点差が7点以上に開くことのない緊迫した展開が続いた。しかし、残り43秒にトム・オニール-ソーンの得点で4点差に詰められた後も、残り25秒に香西が決定的なミドルショットを決め61-55と6点差に戻し、その後のオーストラリア代表のオフェンスをしのいで勝ち切った。
オーストラリア代表は直近4度のパラリンピックで3度メダルを手にしている強豪。その相手に対し、日本代表はリードした時間帯が32分51秒に上った。トップスコアラーは香西で20得点。3Pショットは放った2本を共に成功させ、フィールドゴール全体でも15本中9本成功(成功率60.0%)という効率の良い活躍だった。鳥海は15得点、12リバウンドのダブルダブルに加え、9アシストと4スティール。ベテランの藤本怜央(4.5)の14得点、秋田 啓(3.5)の10得点を含め、日本代表は4人が2ケタ得点に到達していた。
初の準決勝進出を決めた日本代表は、9月3日(金)に有明アリーナで行われる第4試合(試合開始時間未定)で、イギリス代表と決勝進出をかけて対戦することになった。イギリス代表は前回のリオ大会で銅メダルに輝き、2018年の世界選手権ではチャンピオンとなったチーム。大きな目標をかなえるためのハードルとして、これ以上に意欲を掻き立てられるチームはないだろう。
☆男子準々決勝試合結果(9月1日、有明アリーナ)
アメリカ(グループB2位)52-45トルコ(グループA3位)
アメリカ 52(11 14 10 17)
トルコ 45(18 08 06 13)
※アメリカは準決勝進出、トルコは5・6位決定戦へ
スペイン(グループA1位)71-68ドイツ(グループ4位)
スペイン 71(21 19 14 17)
ドイツ 68(19 15 14 20)
※スペインは準決勝進出、ドイツは7・8位決定戦へ
イギリス(グループB1位)66-52カナダ(グループA4位)
イギリス 66(14 12 16 24)
カナダ 52(16 14 13 09)
※イギリスは準決勝進出、カナダは7・8位決定戦へ
日本(グループA2位)61-55オーストラリア(グループB3位)
日本 61(14 21 12 14)
オーストラリア 55(14 16 09 16)
※日本は準決勝進出、オーストラリアは5・6位決定戦へ
☆11・12位決定戦(9月1日、有明アリーナ)
コロンビア(グループA6位)70-47アルジェリア(グループB6位)
コロンビア 70(22 11 15 22)
アルジェリア 47(11 15 07 14)
※コロンビアの11位、アルジェリアの12位が確定
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)