月刊バスケットボール5月号

FIBAワールドカップ2023予選、男子日本代表は豪・中・台と同組のグループB

 FIBA(国際バスケットボール連盟)が2023年のワールドカップに向けた各地区予選の組み合わせを発表し、アジア・オセアニア予選では男子日本代表がオーストラリア代表、中国代表、チャイニーズ・タイペイ代表とともにグループBに入ることが明らかになった。

 

 アジア・オセアニア地区予選は、二段階のグループラウンドを通じて本戦出場権を争う。16チームが4つのグループに分かれて行われる1次予選のグループ分けは、以下のとおりだ。

 

☆1次予選のグループ分け
グループA: ニュージーランド(25)、韓国(29)、フィリピン(31)、インド(78)
グループB: オーストラリア(3)、中国(28)、日本(35)、チャイニーズ・タイペイ(68)
グループC: ヨルダン(39)、レバノン(56)、インドネシア(85)、サウジアラビア(87)
グループD: イラン(22)、カザフスタン(72)、シリア(82)、バーレーン(102)
※カッコ内はFIBA世界ランキング


1次予選では、各チームが同グループの3チームとホーム&アウェイの6試合を戦う。フィリピン・日本・インドネシアの共催となるFIBAワールドカップ2023において、開催国枠での出場が決まっているフィリピン代表と日本代表の2ヵ国は、1次予選の成績いかんによらず2次予選に進出できる。両国が所属するグループA・Bでは両国および両国を除く成績上位の2チームが、グループC・Dでは成績上位の3チームが、2次予選に進出することができる(同じく開催国で今予選でグループCのインドネシアに関しては、2022年7月に自国で開催予定のFIBAアジアカップ2021でベスト8入りを果たせば開催国枠が認められ、その場合にはグループCもA・Bと同じ措置となる。もしアジアカップで8位以内がかなわなかい場合、本戦出場にはこの1次予選を含め地区予選を勝ち上がり、6位までに入る必要がある)。


2次予選では、勝ち上がった12チームが以下のとおり6チームずつ2つのグループに分かれ、再びホーム&アウェイのリーグ戦を行う。グループA・Dの3チームが同組でグループE、グループB・Dの3チームが同組となりグループFを構成する。


☆2次予選のグループ分け
グループE: フィリピン、A1、A2、C1、C2、C3
グループF: 日本、B1、B2、D1、D2、D3


2次予選には1次予選での対戦成績が持ち越され、各チームは1次リーグで当たらなかった3チームとのみ対戦する。日本代表とフィリピン代表は、ここでも成績いかんによらず予選を通過する(インドネシアが開催国枠を獲得した場合も同様の措置)。


上記の方式で行われる1次・2次予選の試合日程は以下のとおりだ。

 

☆1次予選
Window1: 2021年11月22日(月)-30日(火)
Window2: 2022年2月21日(月)-3月1日(火)
Window3: 2022年6月27日(月)-7月5日(火)

 

☆2 次予選
Window4: 2022年8月22日(月)-30日(火)
Window5: 2022年11月7日(月)-15日(火)
Window6: 2023年2月20日(月)-28日(火)


6つのウインドウを通じて日本代表が戦う12試合には、東京2020オリンピック銅メダリストのオーストラリア代表、東アジアで常に見上げる存在だった中国代表に加え、両国と同じく日本よりもランキングが上位のイラン代表との対戦が見込まれる。日程的に、海外組の参戦は限られたものになりそうだが、逆に一定以上のレベルで成し遂げられなければならない国内組の底上げには欠かせない国際経験の蓄積という点で、非常に重要な機会だ。

 

 東京2020オリンピックでは望むべき結果を残せなかった一方で、大会開幕前のエキジビションでの戦いぶりも含めて飛躍的な成長を感じさせた男子日本代表。しかし、熱気を帯びたバスケットボール・シーンをさらに盛り上げる機運の醸成には、この予選の舞台でも結果を伴わせることが重要だ。前回大会の予選では、2018年6月28日に千葉ポートアリーナでオーストラリア代表に衝撃的な勝利を収めたことが、代表のみならずバスケットボール界全体に対するその後の期待感を大きく膨らませた。


2023年の本大会に向け、国内組主体で戦うだろうこの予選で、ワールドクラスの相手に「健闘できる」レベルから「勝てる」、「世界と伍する」レベルまでいけるだろうか。自動通過できる大会とはいえ、このアジア・オセアニア地区予選には計り知れず大きな意味がある。

 

 なお、FIBAワールドカップ2023の本大会は、2023年8月25日(金)から9月10日(日)までで、開催期間中はフィリピンの首都マニラで決勝トーナメントが、日本の沖縄とインドネシアのジャカルタで予選ラウンドが行われる。沖縄での試合会場は、今春オープンしたばかりの沖縄アリーナだ。

 

富樫勇樹(千葉ジェッツ、写真左)をはじめ国内組の好プレーも随所に見られた東京2020。ワールドカップ予選はさらなる飛躍の舞台だ(写真/©fiba.basketball)


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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