5人制女子バスケ、新生日本代表候補“恩塚ジャパン”に銀メダリスト5人、渡嘉敷、3×3のスターら
2021年9月27日(月)から10月3日(日)までアンマン(ヨルダン)で開催されるFIBA女子アジアカップ2021に向け、5人制バスケットボールの女子日本代表候補メンバーが強化合宿に入っている。東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した後、仕切り直して選ばれたあらたな16人の顔ぶれには、銀メダリストが5人残っており、加えて同大会の3×3で活躍した代表3人、またケガのため同大会への出場がかなわなかった渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)も名を連ねている。
今回ヘッドコーチを務めるのは、東京2020オリンピックでチームを率いたホーバス トム氏ではなく、ホーバスHCをアシスタントとして支えた恩塚 享氏。大学女子バスケットボール界で強豪として知られる東京医療保健大学で、チームの立ち上げから始めて、直近の全日本大学選手権(インターカレッジ)4連覇に導く一方で、代表においてもアナリストやアシスタントの立場で長年大きな力となってきた有能な人材だ。
来夏オーストラリアのシドニーで開催されるFIBA女子ワールドカップ2022、そして3年後のパリオリンピックを見据えた流れの中で、恩塚氏が代表のヘッドコーチとしての経験を積む意義は大きい。5連覇がかかると同時に、大会の上位4チームに翌年の女子ワールドカップ予選会への出場権が与えられるFIBAアジアカップ2021に臨むチームを率いるという事実は、ホーバスHCの心身のリフレッシュという意味合いとは別に、恩塚氏への期待の大きさを感じさせる。
また、今回の強化合宿(第8次)は8月24日(火)から9月3日(金)まで味の素ナショナルトレーニングセンターで行われるが、その最終日には群馬県高崎市で開催されるWリーグ オータムカップ 2021 in 高崎に出場し、シャンソン化粧品シャンソンVマジックと対戦することになっている。東京2020の代表候補として合宿に参加した小池 遥がキャプテンを務め、FIBAアジアカップ2017で大会ベストファイブに選ばれた藤岡麻菜美が1シーズンのブランクを経てコートに戻ってくるシャンソン化粧品は、第23回Wリーグの「台風の目」にもなりそうな注目チーム。FIBAアジアカップ2021の前哨戦となるこのエキジビション自体も、見どころが多く楽しめる試合になりそうだ。
なお、今回の代表候補では、東京2020オリンピックで大会のオールスター・ファイブに選ばれた町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)、キャプテンを務めた高田真希(デンソーアイリス)のほか、長岡萌映子、馬瓜エブリン、三好南穂(トヨタ自動車アンテロープス)、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)、宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)は含まれていない。
FIBA女子アジアカップ2021は、“ディビジョンA”に属するアジアの8チームが出場する。8チームはまず、4チームずつ2つのグループに分かれて総当たり戦を行った後、上位3チームずつが決勝トーナメントに進み、女王の座を争う。グループ分けは以下のとおりだ。
グループA 日本(3)、韓国(4)、ニュージーランド(6)、インド(11)
グループB オーストラリア(1)、中国(2)、チャイニーズ・タイペイ(5)、フィリピン(7)
※カッコ内はFIBAアジアランキング
各グループの1位は直接準決勝に進出。2位と3位はたすき掛けで準決勝進出決定戦を行う。準決勝進出を決めた4チームは、同時に翌年の女子ワールドカップ予選会(2022年2月)への出場権も獲得する。
2年前のFIBAアジアカップ2019で大会4連覇を成し遂げた直後の女子日本代表。恩塚氏(後列右から2番目)はAコーチとして貢献していた(写真/©fiba.basketball)
FIBA女子アジアカップ2021日本代表候補(第8次強化合宿メンバー)
■スタッフ ※プロフィールは役職、氏名、所属の順
ヘッドコーチ 恩塚 享/東京医療保健大学
アシスタントコーチ 上野経雄/JBA
アシスタントコーチ 鈴木良和/株式会社ERUTLUC
スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤晃一/JBA
スポーツパフォーマンスコーチ 松野慶之/JBA
アスレティックトレーナー 岩松真理恵/JBA
アスレティックトレーナー 古澤美香/株式会社リニアート
マネージャー 小松佳緒里/ENEOSサンフラワーズ
マネージャー 成井千夏/JBA
マネージャー 木村絵理/トヨタ自動車株式会社
テクニカルスタッフ 冨山晋司/JBA
■プレーヤー ※プロフィールは氏名、ポジション、身長(cm)/体重(kg)、生年月日(年齢)、所属(ッ出身地、出身校)の順
渡嘉敷来夢 C 193/85 1991/06/11(30)/ENEOSサンフラワーズ(埼玉県、桜花学園高校)
林 咲希 SG 173/67 1995/03/16(26)/ENEOSサンフラワーズ(福岡県、白鷗大学)
根本葉瑠乃 SG 176/65 1995/04/18(26)/三菱電機コアラーズ(愛知県、常葉学園高校)
宮崎早織 PG 167/54 1995/08/27(25)/ENEOSサンフラワーズ(埼玉県、聖カタリナ女子高校)
田中真美子 PF 180/73 1996/12/11(24)/富士通レッドウェーブ(東京都、早稲田大学)
西岡里紗 C 186/81 1997/03/03(24)/三菱電機コアラーズ(奈良県、大阪桐蔭高校)
永田萌絵 PG 174/65 1997/06/20(24)/トヨタ自動車アンテロープス(長崎県、東京医療保健大学)
中田珠未 PF 183/70 1997/12/21(23)/ENEOSサンフラワーズ(埼玉県、早稲田大学)
平末明日香 PG 163/54 1998/03/05(23)/トヨタ紡織サンシャインラビッツ(三重県、東京医療保健大学)
赤穂ひまわり SF 185/72 1998/08/28(22)/デンソーアイリス(石川県、昭和学院)
宮下希保 SF 179/73 1998/10/06(22)/トヨタ自動車アンテロープス(石川県、県立足羽高校)
馬瓜ステファニー PF 182/80 1998/11/25(22)/トヨタ自動車アンテロープス(愛知県、桜花学園高校)
オコエ桃仁花 PF 182/88 1999/02/07(22)/富士通レッドウェーブ(東京都、明星学園高校)
山本麻衣 PG 165/58 1999/10/23(21)/トヨタ自動車アンテロープス(広島県、桜花学園高校)
奥山理々嘉 SF 180/72 2000/04/06(21)/ENEOSサンフラワーズ(神奈川県、八雲学園高校)
東藤なな子 SG 174/65 2000/11/29(20)/トヨタ紡織サンシャインラビッツ(北海道、札幌山の手高校)
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)