月刊バスケットボール6月号

日本代表

2021.08.26

車いすバスケ女子日本代表、イギリス代表撃破で2連勝

 東京2020パラリンピックの車いすバスケットボール2日目の8月26日、女子日本代表は第2試合でイギリス代表と今大会2試合目を行い、54-48で勝利した。この試合を終えた時点では、日本代表は予選ラウンドのグループAで暫定的にトップに立っている。

 

8月26日第2試合 予選ラウンドグループA(武蔵野の森スポーツプラザ)
日本(2勝)54-48イギリス(2敗)

 

日本 54(12 13 16 13)
イギリス 48(12 09 08 19)

 

 序盤にリードを奪われた日本は、第1Q残り2分2秒に北間優衣(持ち点1.0)とのオフボールスクリーンプレーでオープンになった藤井郁美(4.0)が、萩野真世(1.5)のアシストでミドルレンジからショットを決め10-10とイギリス代表を捉えた。残り1分9秒には網本麻里(4.5)がドライビングレイアップを沈め12-10とこの試合初のリード。クォーター終了間際にローリー・ウィリアムズ(2.5)の得点で12-12追いつかれたが、コート上のメンバー5人全員を交代して迎えた第2Qは、最初のインバウンドでボールを受けた小田島理恵(2.5)が思い切りよく3Pショットを放ち、これがみごとにゴールをとらえ再び15-12と先行した。

 

 今大会チーム初の3Pショット成功となったこの小田島の一撃を含め、日本代表はこのクォーターの開始から4分20秒の間に11-1のランで一気に23-13とリードを拡大。前半終了時点でも25-21と4点リードを保つことができた。

 

 イギリス代表の得点源であるヘレン・フリーマン(4.0)を前半2得点に封じ、チームとしての失点を21にとどめた日本代表のディフェンスは、後半開始から5分以上相手を零封。その間に31-21と再びリードを2ケタに乗せると、第3Q終了時点までに41-29とリードを12点まで広げた。

 

 前日カナダ代表に敗れているイギリス代表は、第4Qにディフェンスのプレッシャーを高め、粘り強く反撃してきた。日本代表は相手のフルコートプレスに手を焼き、開始から6分間に4つのターンオーバーを犯してしまう。しかも調子を上げてきたフリーマンに6連続得点を許すなどイギリス代表に14-6のランを食らい、残り4分32秒にフリーマンからのクロスコート・パスを受けたシャーロット・ムーア(1.0)が右エルボーからミドルショットを決めた時点では47-43。2ポゼッションの差まで追い上げられ、続くオフェンスでもターンオーバーを犯してしまう。

 

 しかし、ボールを奪われた後の相手のオフェンスをしのぐと、日本代表は次のオフェンスで柳本あまね(2.5)が相手のローテーションの一瞬のスキを突いてペイントにダイブし、萩野からのパスを受けてしぶとく得点を奪う。残り3分49秒で49-43。徐々に焦りが見え出したイギリス代表が攻めあぐむ一方で、残り2分37秒には萩野もトップからロングツーを沈め、再び51-43と突き放した。

 

 徐々に時間がなくなっていく中、日本代表はゴールにつながらずともしっかり24秒使って落ち着いて攻めた。勝負を決定的にしたのは、52-47で迎えた残り32秒に、網本からのアシストで北田千尋(4.5)が決めたミドルショット。クランチタイムにショットクロックの残り2秒までボールをキープし、冷静にゴールを狙った一撃で、日本代表は54-47として勝利をほぼ動かぬものとした。

 

 日本代表のトップスコアラーは、フィールドゴール10本中6本を決め、フリースロー2本もいずれも成功させ14得点を挙げた藤井。藤井はリバウンドも10本のダブルダブルで、5アシストも記録していた。また、ここまでチームで唯一3Pショットを成功させているローポインターの小田島は、5得点に加え、土田真由美(4.0)と並び±がチームトップの+8だった。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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