【ロックアイス×千葉ジェッツ】千葉から世界へ/ROCK ICE® BASE ストーリー Vol.2
B1の2020-21シーズンにおいて、念願だったリーグ初制覇を成し遂げた千葉ジェッツ。チャンピオンシップ・ランを可能にした大きな要因の一つは、チームとしての確固たる練習拠点を手にした事実だった。『ROCK ICE® BASE/ロックアイスベース』と名付けられたこの施設を建築したのは、ジェッツ自体ではなく、コンビニやスーパーでおなじみの袋詰め氷製品『ロックアイス®』を製造・販売している小久保製氷冷蔵株式会社という企業だ。自身熱血ジェッツブースターであり、パートナー企業の社長でもある同社の小久保龍平氏と、千葉ジェッツの面々に、ロックアイスベースでの面会を申し込んだ。
Vol.1『小久保龍平(小久保製氷冷蔵株式会社 代表取締役社長)インタビュー』から読む
Vol.3『千葉ジェッツ“プレーヤー&スタッフ”ボイス』から読む
小久保社長×#15藤永佳昭×#31原 修太×#14佐藤卓磨 対談
#14佐藤卓磨(写真左)
――ロックアイスベースを作る際に、皆さんから小久保社長にリクエストされたことはありましたか?
佐藤 僕は入団の時点でもう計画が進んでいて。原さん、藤永さんはどんなことを?
原 アイスバスをはじめ、注文はかなりさせていただきました。
藤永 仮眠室や食堂とか、練習終わりにすぐ食べられたらいいよねなんて皆で話しましたね。
原 Wi-Fiも。船アリではケアルームが地下で電波が来ていなかったんですよ…。
小久保 それ、リアルに言われたなあ。
原 今はバッチリです。
――小久保社長は皆さんにとってどんな人ですか? また小久保社長はそれぞれの皆さんをどんな風に見ていますか?
佐藤 初対面のときは誰とは知らずにお会いして、あとからロックアイスの社長と聞かされたのですが、最初からとても親しみやすい方です。
小久保 佐藤選手は気を遣っていましたね。初めから良い印象で、チームの力になってくれると思っていた。
原 最初お会いしたとき、気さくで元気な方だという印象でした。親しくなる前から、先輩方にとても良い方だと聞いていました。
小久保 原選手は割と壁を作るんですよ(笑)
原 最初は結構距離を取る方なんです。でも、いつも応援してくれてありがたいですし、尊敬しています。良い意味で、「優しいおじさん」という感じです。
藤永 僕にとっては親しみやすく、選手に寄り添ってくれる方です。毎試合応援に来てくれますし。ロックアイスベースもそうですが、選手のことを考えてくださるスポンサーです。
小久保 藤永選手はこのとおり真面目。人見知りするタイプで、最初に会ったのは移籍3日目くらいでしたが…。
藤永 小野龍猛さんからロックアイスの社長と紹介されて、もうガチガチでした(笑)
小久保社長(写真左)と#15藤永佳昭
――ロックアイスベースをどんな感じで利用していますか?
藤永 チーム練習は基本12時から。それ以外は一人一人で違います。トレーニングも個々に向き合ってやってくれています。スキルコーチもマンツーマンなので、話し合って時間をずらして、各自が有効活用できているなと。僕は朝にシューティングかトレーニングをして、チーム練習の後でワークアウトかシューティングか、足りないものを補う感じです。食事もできますし、ケアして帰れるので、ほとんど一日中ここにいます。
原 アキ(藤永)と同じなのですが、コートとジムとケアルームが離れていた頃とはまったく違う取り組みができています。例えばトレーニングでここが動きづらいとか、こんなバスケの動きがやりたいと感じたら、以前ならジム内で少し動くだけしかできませんでしたが、今はドアを開けたらすぐコートなので、そこですぐにやりたいように動けます。そこでまた何か気づけば、ドア一つでトレーニングやケアに戻れるというのが、ロックアイスベースで一番ありがたいですね。
藤永 100点ですね(笑)
原 100点!(笑)
佐藤 本当に原さんが言うとおりです。ウエイトしてからシューティングに移るようなことも、以前なら簡単にはできませんでした。ここでなら、例えばシューティングで100本入れる目標は自分しだい。昨シーズン途中からロックアイスベースを使わせてもらって、以前はできなかったことができるようになり、それが積み重ねになってチームの結果にもつながりました。皆、コンディションが上がっています。この先もっと結果が出ると思いますし、出したいと思います。
原 シゲ(秋田ノーザンハピネッツに今オフ移籍した田口成浩)もここが大好きでした。アイツ、めちゃ長い時間いるんですよ。居心地がいいので、練習が終わった後も、何もしないのにトレーニングルームにいるっていう(笑)
藤永 寂しいんですよ、たぶん。
原 トレーニングルームではYouTubeを見たり音楽を流せるんですけど、シゲはいつもうるさくって「騒音問題」がありました(笑) だからシゲがいなくなった寂しさは、今だと音楽を聴きながら気持ちよくトレーニングできることで感じられますね(一同大爆笑) 唯一の問題が解決されました(笑)
小久保 いなくなってやっといい環境になったわけか?(笑)
藤永 確かにいつもここにいましたよね。
――原さんの同期である富樫勇樹選手が、この夏は日本代表で活躍されました。ギャビン・エドワーズ選手も含め、どのようにご覧になっていましたか?
原 チームメイトとして、本当に「頑張れ!」という気持ちでした。ユウキが活躍しないと、チームの調子が良くてもこっちは何だか気分が乗らなかったりして。友だちとして応援していましたね。もしも自分だったらこうしたんじゃないか…みたいな想像もしながら観戦していました。エキジビションではフランス代表に勝ち、本番は三連敗とはいえいい試合でした。ユウキが出ている間は、スタッツに残らないところも内容の良い時間帯が多かったので、ギャビンも含め二人には本当にお疲れ様でしたと言いたいです。
#31原 修太(写真右)
――藤永さんは小柄なプレーヤーという視点で、富樫選手だけでなく女子日本代表の活躍をどうご覧になりましたか?
藤永 女子の試合は素直にすごいなと思いました。全員で助け合ってプレーしている、チームでバスケットボールをしているというのが伝わってきました。千葉ジェッツは皆仲が良いので、僕たちもベンチから声を出すようなことを含めて、チームのバスケをやっていきたいなと思いました。
――佐藤さんはフィジカルさが特徴の一つだと思うのですが、世界のバスケットボールの印象はどんななものでしたか?
佐藤 シンプルに体の強さもあると思うのですが、世界のトップの体の使い方がうまいなと思いました。ウチのゾラン・マルティチAコーチがよく「バスケ以外のスポーツもやって、いろんな動きを取り入れるといいよ」と言うんですが、それは確かにあるなと。アルゼンチンの人たちなんかはいろんなところからパスを出せますし、動きが「あと出し」というか…、相手にうまく対応している印象でした。そういった点がルーズボールの強さなどにもつながるんじゃないかなと思いました。
――最後に2021-22シーズンに向けたそれぞれの目標と抱負を、また小久保社長はぜひ激励のメッセージをお聞かせください。
原 まず、昨シーズン以上のプレータイムをもらって優勝に貢献すること。あと、もう少し我を出して、年齢的にも30代が近いので、ラストチャンスと思って代表候補に入れたらと。地元千葉県出身で、小久保社長をはじめ地元の皆さんの応援もありますので、選手として、組織として地元色を出しながら千葉県を推して盛り上げたいです。
小久保 代表候補が目標だとよくぞ言ってくれました。そのあかつきにはしっかり応援にいきますよ!
藤永 僕はディフェンスのイメージが強いと思うのですが、今シーズンは皆さんがディフェンスのプレーヤーだというのを忘れてしまうくらい、オフェンスにも力を入れてやっていきたいなと思います。連覇がチームの目標なので、ファイナルまで自分がしっかりコートに立ってチームに貢献できるように、(オフェンスを)頭に入れながらシーズンをとおして頑張ります。原が言ったように、ロックアイスをはじめ僕たちをサポートしてくれるたくさんのスポンサーとブースターがついています。ロックアイススベースをこうして使わせてもらっていますし、勝って恩返ししたいと思います。
小久保 今シーズンは点数も増えそうですね。藤永コールが変わるくらいの活躍を期待しています。
藤永 一試合5得点くらいは…。
小久保 目標は高く、10得点で!
藤永 頑張ってみます!
佐藤 昨シーズンと編成が変わって、個々の責任も大きくなっていると思います。一年ジェッツでやってみて、遠慮したりビビったりしたら、すぐにローテーションに入れなくなりますし、昨シーズンはちょっと身構えてしまったなという思いがあるので、もっと自分の強みを生かして、中でも外でもガツガツいきたいですね。メンバーの特徴もわかってきたので、よりアジャストしながら僕も遠慮しないで。いくときは自信を持っていくようにしたいです。
小久保 試合ではガツガツ、ダンクも期待しています。
佐藤 いきますよ!!
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[ROCK ICE® BASE/ロックアイスベース]
小久保製氷冷蔵株式会社が創業の地である千葉県八千代市大和田新田に建築した、千葉ジェッツの専用練習場施設および同社グループの従業員福利厚生施設。自社の看板商品『ロックアイス®』の名を残し、将来に向けた夢を育む基地(ベース)というコンセプトをそのまま形にした施設で、2021年3月末に稼働した。フルコート一面、サブコートなら二面取れるフロアは、トレーニングルーム、ケアルーム、食堂とドア一枚で行き来できる配置。上階には、ワイド画面のモニターで映像研究しながらミーティングも可能なジェッツ専用ロッカールーム、ロックアイスでアイシングできるアイスバスや仮眠室など、プレーヤーが帰りたくなくなるほど充実した施設が備わっている。
(月刊バスケットボール)