月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2021.08.10

【インタビュー】池内 泰明氏(拓殖大男子監督)が語る 「“ちょっとしたことで変わる”シュートの微調整」とは?③

 現役時代はシューターとして日本のトップに君臨し、また指導者としてこれまで数々のシューター育てた池内氏。「シュートを教わってくる選手が少ない」と、自らYouTubeでは「シュート専門チャンネル(池内泰明シューティング・ラボ)」も発信するなど、シュートに大きなこだわりを持ち、細部にわたって指導する。自分では気付くことができない僅かな修正でシュートは激変するという。コーチだけでなく、選手にも知ってほしいこと、練習方法などを聞いてみた。

 

“視線”を一瞬変えるだけでシュートが変わる可能性がある

 

池内泰明氏インタビュー③
【自分のシュートフォームを動画で撮影し、視覚でチェックすることも必要】
――選手はさまざまなシュートの癖を持って大学に入って来ますが、池内さんが最も手を加えたいと思うことは、どのような点ですか?
「シュートタッチという感覚はなかなか変え難いものはありますが、一番感じるのはボールをキャッチして構えるという部分。この準備は観察しますね。棒立ちの選手が圧倒的に多いのが現状です」

 

――“シュートフォームの微調整”ということに関してはいかがでしょうか?
「キャッチをしっかりしようと手に力を入れて開き過ぎると、手首を曲げることが窮屈になってしまいます。少し緩めるだけで、手首が曲がりやすくなります。また、リングに正対できているようでできていない場合もあります。視線もそうです。見ているようで見ていない(笑)。
あとはチェストパスを小さい頃から繰り返しやってくるので、体の中心でしかボールをキャッチすることができません。そのため、シュートが体の中心から利き手の方へと斜めに上がっていくケースも非常に多いですね。そういった部分を少しだけ調整していけば、シュートは格段に変わると思っています」

 

――具体的な修正方法を一つ教えていただけますか?
「先ほどの親指の話もそうですが、選手は細かく教わったことがないため、修正の方法が分からずに苦労することが多いと思います。
体がリングに正対しているかどうかは、自分の“スタンス”と“肩と肩”を結んだ線が常に同じになっているかどうかを確認するだけでも違うと思います。もちろん、利き手の爪先がリングに向いていなければなりませんが。
以前、内海さん(知秀/日立ハイテクヘッドコーチ)と話したときに出たのは、シュート後に肩と肩のラインがしっかりしているかどうか。右利きで右肩が極端に出ていれば、反時計回りに捻られた体の回転がボールにも伝わってしまいます。そうなると、シュートは左へとずれてしまうのです。ボールを飛ばそうと力を入れた場合にもよく起きますね」

 

――自分のシュートフォームを知るためには、どのようにしたら良いでしょうか?
「ほとんどスマートフォンを持っている時代なので、自分のシュートフォームを動画で撮影してみると良いと思います。やはり、フォームをチェックしないと、何が悪いのかが分からないことも多いですね。動画で見ると、動作や姿勢、バランス、着地なども良く分かるはずです。
自分では分かっているつもりでも、意外と気付けないことがあったり、これまでの習慣が出てしまったりするということもあります。そういうものを視覚で確認することが可能だと思います」
※④へ続く

 

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(月刊バスケットボール)

 



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