月刊バスケットボール10月号

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2021.08.03

東京オリンピック5人制男子バスケ準々決勝チラ見情報

待望の「デイム・タイム」が出るか? しかしディフェンディングチャンピオンのアメリカ代表にとって、準々決勝のスペイン代表は簡単な相手ではない(写真/©fiba.basketball)


いよいよ決勝トーナメントへと進んでいく東京オリンピック5人制男子バスケットボール。8月3日は準々決勝4試合が行われる。


10:00- 第1試合
スロベニア代表(グループC1位、3勝)対ドイツ代表(グループB3位、1勝2敗)

 

 ルカ・ドンチッチという絶対的なオールラウンダーを中心に、今大会の平均得点が出場チーム中最高の109.7というスロベニア代表が、この対戦ではどうしても優位に思える。オリンピック初出場ながら、強固な結束を感じさせ力強いバスケットボールを展開するこのチームに、スプリット(クロアチア)での厳しいオリンピック予選から勝ち上がってきたドイツ代表がどこまで食らいつくか。また、どのような戦い方で攻略しにかかるか、何点に抑えるか。

 

 ドイツ代表にとっては厳しいチャレンジになるだろうが、ここまでに見せてきたしぶとさを発揮することを期待したい。

 

13:40- 第2試合
スペイン代表(グループC2位、2勝1敗)対アメリカ代表(グループA2位、2勝1敗)

 

 FIBA世界ランキング1位(アメリカ代表)と2位(スペイン代表)の対戦がこのラウンドで実現した。この対戦は1984年のロサンゼルス大会決勝戦と同一カード。このときのアメリカ代表には、まだノースキャロライナ大学在学中だったマイケル・ジョーダンも名を連ねていた。

 

 2008年の北京大会決勝もこの対戦。リッキー・ルビオとコービー・ブライアントのオリンピックデビューであり、ブライアント対パウ・ガソルという兄弟のような二人の対決の舞台ともなった。
大ベテランとなったガソルとルビオがついにアメリカ代表を倒すか。ケビン・デュラントやディミアン・リラード、ブライアントを敬愛するデビン・ブッカーらの爆発的なプレーでアメリカ代表がバスケ大国の誇りを守るか。いずれにしても、次々と現れるスターたちを見るだけでも楽しい。


17:20- 第3試合

イタリア代表(グループB2位、2勝1敗)対フランス代表(グループA1位、3勝)

 

 第3試合は、大会前のエキジビションで日本代表に敗れ、本番でアメリカ代表を破ったフランス代表の真価を見極める機会になるのではないだろうか。ビッグセンターのルディ・ゴベアはグループラウンドでは平均8.7得点、7.7リバウンドという数字だが、一段ギアを上げてきてもまったくおかしくない。

 

 イタリア代表は、ベオグラード(セルビア)での予選から堅実な戦いを続けている。決勝トーナメントに進んだ8チームの中では平均ファウル数がドイツに次いで2番目に少ない。また、フリースロー成功率(82.9%)は上から3番目の数字。ダニーロ・ガリナリというNBAベテランもおり、パワフルなフランスを相手にしても引き締まった試合をしそうだ。

 

 

21:00- 第4試合
オーストラリア代表(グループB1位、3勝)対アルゼンチン代表(グループC3位)

 

 第4試合は、日本代表との試合でついにエンジンがかかってきた様子のアルゼンチン代表が、来日前にラスベガスで行ったエキジビションで敗れた相手であるオーストラリア代表との再戦に臨む。オーストラリア代表は、そのラスベガスでの4ヵ国対抗(両チームにアメリカ代表、ナイジェリア代表)でアメリカ代表にも勝っており、スロベニア代表と並んで好調の波に乗っているチームだ。NBAプレーヤーのパティ・ミルズのプレーメイクと得点力が光っている。

 

 アルゼンチン代表は同じ4ヵ国対抗戦で勝ち星なしの3連敗を喫し、本番も連敗スタートだった。ただ、ルイス・スコラ、ファクンド・カンパッソらを中心にしたスマートな戦いぶりが特徴で、伝統的にプレッシャーのかかったビッグゲームに強い。どちらが勝つにしてもタフな試合になるだろう。

 

アルゼンチンはスコラのリーダーシップを中心に上り調子になってきている(写真/©fiba.basketball)


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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