月刊バスケットボール5月号
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宮崎早織
PG/167cm
ENEOSサンフラワーズ[/caption]

 

[東京2020 女子日本代表の横顔]

疾風のごときスピードを武器に世界を切り裂く

 

 埼玉県出身の宮崎だが、高校は、スピーディーなバスケットを展開する聖カタリナ女子(現聖カタリナ学園)高校のスタイルに憧れ、自ら望んで愛媛県へ。スピードあふれるプレーを持ち味に1年生でメンバー入りすると、2年生のときにはインターハイ、ウインターカップともに準優勝を経験。3年生のときはインターハイとウインターカップで3位だったが、ウインターカップでは大会ベスト5に選ばれている。また、アンダーカテゴリーの日本代表にも選ばれ、2011年U16アジア選手権優勝、2012年U17世界選手権4位、2013年U18アジア選手権準優勝と経験も積み重ねてきた。

 そして高校卒業後にWリーグのENEOSサンフラワーズに入るが、日本代表としても活躍した吉田亜沙美、藤岡麻菜美という2人のポイントガードに隠れる形で、なかなかプレータイムを得ることができなかった。しかし、少しずつ出場機会が増えると、2018‐19シーズンから2年連続でWリーグオールスターに選ばれ、さらに2019年秋からA代表の合宿に呼ばれるように。ENEOSでは吉田、藤岡が離れた後は正ポイントガードとしてチームをけん引。2020年皇后杯では大黒柱の渡嘉敷来夢が前十字じん帯を断裂するアクシデントもあったが、持ち前の疾風のごときスピードを生かしたプレーでチームを勢い付け、8連覇を達成する原動力となった。またWリーグのファイナルではトヨタ自動車アンテロープスに敗れたものの、速さだけでなく緩急をうまく使ったプレーで会場を沸かせた。

 そうした宮澤のプレーをホーバスHCも評価。「トランジションで速さがある。外国チームの選手はその速さを嫌がると思った」と今回の東京2020オリンピックメンバーに選出した。

 宮崎自身も「日本を代表する選手の一人としての自覚と責任を持ち、全力で戦います。持ち味であるスピードを生かして、どんな相手にも果敢に立ち向かい、勝利に貢献できるように頑張ります。日本チームを応援して下さるたくさんの方々や、これまで支えて下さった方々に勇気や元気を届けたいです」と初のオリンピックに向け気持ちを高めている。

(高木希武/月刊バスケットボール)



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