月刊バスケットボール1月号
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宮澤夕貴
SF/183cm
富士通 レッドウェーブ[/caption]

 

[東京2020 女子日本代表の横顔]

メダル獲得には欠かせない3Pシュートと攻防にわたるインサイドプレー

 

 2020年1月27日、宮澤夕貴は突然のアクシデントに見舞われる。日本代表合宿に参加中、それまではいつもと同じように動けていたが、突然膝に痛みを覚えたのだ。一時的なものと思われたが翌日も痛みは引かず、病院で検査すると膝の軟骨損傷という診断結果。当初は2週間ぐらいで戻れるかと思っていたところ、結局プレーできるようになるまで約4か月を要した。

 それでもWリーグの2020‐21シーズン開幕には間に合い、182㎝という身長と得意のシュート力を生かして攻防にわたり活躍。2020年12月の皇后杯準々決勝で渡嘉敷来夢が右膝前十字じん帯断裂の重傷でコートを離れることになったときは、その穴を埋めるべく奮闘。ENEOSサンフラワーズを優勝に導くとともに、自身もベスト5、MVPを獲得している。

 しかしその後、今度は右肩の痛みで思うようにプレーできなくなった宮澤。ENEOSが12連覇を狙っていた2020-21Wリーグファイナルでも第1戦は途中からの出場となり、優勝を逃してしまう。右肩の故障は、東京2020オリンピックに向けて回復しつつあるがコンディションは万全ではなく「早く自分のパフォーマンスを上げなきゃいけないという気持ちとプレッシャーも感じています」と言う。トム・ホーバスHCには宮澤を3番(SF)、赤穂ひまわりを2番(SG)で起用する構想があり、「彼女の経験、リバウンド、ディフェンスは大きい」と頼りにしている。

 また宮澤自身もオリンピックに懸ける思いは強い。前回のリオオリンピックを「競技生活の中でいちばん大きな出来事で、ターニングポイントでした」と言う宮澤。それまでもアンダーを含め日本代表に選ばれていたが、絶対に入ると思っていた先輩が選ばれず自分が選ばれたことで「その人たちの分も自分がやらなければいけない」「自分が入ったからには結果を出さなければいけない」「自覚と責任を持たなければいけない」と思うようになったと言う。そのリオオリンピックでは、苦手意識を持っていた3Pシュートをアメリカ戦で決めたことが自信となり、今や宮澤の3Pシュートは女子日本代表の武器に。日本がメダルを取るためには、その3Pシュートだけでなくリバウンドを含め、攻防にわたる宮澤の活躍が欠かせない。

(高木希武/月刊バスケットボール)



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