月刊バスケットボール5月号
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長岡萌映子
PF/183cm
トヨタ自動車 アンテロープス[/caption]

 

[東京2020 女子日本代表の横顔]

得点に、リバウンドにと、代表に不可欠なオールラウンダー

 

 長岡萌映子は、宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)とともに、常に世代の代表の主力選手として世界と戦ってきた。2009年のU16アジア選手権で準優勝し、翌2010年のU17世界選手権(ワールドカップ)では5位に入賞を果たした。2011年U18アジア選手権でやはり準優勝し、U19の世界選手権に出場が決まっていたが、当時日本バスケットボール協会がFIBAから制裁を受けていたことにより、出場が認められなかった。2011年には3x3のユース世界選手権大会に出場し今回代表に選ばれている宮澤、三好南穂と共に3位の成績を残している(あと一人は近平奈緒子/アイシン ウィングス)。

 それだけではない。17歳の時に日本代表候補にも選出され、2011年のアジア選手権に出場。大神雄子、髙田真希に次ぐ、チーム3位の8.8得点を記録し、銅メダル獲得に貢献している。高校生が日本代表として出場したのは1992年のオリンピック世界予選の浜口典子(現姓・小磯)以来のことだった。
ミニバス時代から全国大会に出場、中学ではジュニアオールスター(都道府県選抜)にも選出された。札幌山の手高に進学してからはインターハイ、ウインターカップで優勝を手にしている。1学年先輩の町田瑠唯(富士通 レッドウェーブ)、本川紗奈生(デンソー アイリス)らと組んだ強力なラインナップで全国を席巻したのだ。高校卒業後は富士通レッドウェーブに入団。新人王を獲得する活躍を見せた。長岡、町田といった若手を中心とした富士通は勢いのあるチームとしてリーグ上位に進出するも、ENEOSサンフラワーズの壁は厚く、優勝は叶わなかった。そして、長岡は2017-18シーズンよりトヨタ自動車アンテロープスへ移籍を決意する。打倒ENEOSに向けて、トヨタ自動車が大型補強を行ったのだ。同じタイミングで三好もシャンソン化粧品シャンソンVマジックからトヨタ自動車へと加わっている。長岡にとっては、日本代表ではスモールフォワードでプレーすることが多いが、チームではパワーフォワード、チーム事情によってはセンターとしてプレーしなければならなかったことも移籍の引き金となった。

 そして、ついにENEOSの11連覇を止め、トヨタ自動車はWリーグ初優勝を遂げた。長岡はスモールフォワードとして、3Pシュート、リバウンドとオールラウンドに活躍をしてチームを勝利に導いた。「ENEOSと厳しい戦いをして勝ちにつなげられたことは大きな自信になりました。またこれから頑張れる糧になるんじゃないかと思います」との言葉どおり、オリンピックの代表にもしっかりと名を連ねている。インサイド、アウトサイドとオールラウンドにこなす長岡はトム・ホーバスHCいわく「このチームのメインメンバー」と期待も大きい。前回のリオオリンピックにも同期の宮澤、三好とともに出場しており、今や代表の中核メンバーとして、長岡がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。日本代表の目標である金メダル獲得に、絶対に欠かせない要素となる。

(飯田康二/月刊バスケットボール)



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