月刊バスケットボール1月号

3x3男子日本代表、苦難の末に中国代表に劇的KO勝ちで6強入り決定

力強くこぶしを振り上げた富永。その手から放たれた2Pショットで中国代表をノックアウトし、日本の決勝トーナメント進出が決まった(写真/©fiba.basketball)

 

 初日の2試合目でベルギー代表に延長の末勝利して以来、黒星4つを重ねた3×3バスケットボールの男子日本代表が、グループラウンド最終戦の対中国代表戦で劇的なノックアウト勝ちを収め、通算成績2勝5敗の6位で、うれしい決勝トーナメント進出を決めた。

 

 日本代表のここまでの道のりは非常に険しいものだったが、逆に一つ歯車が違っていればトップ2入りしていてもおかしくないような戦いぶりだったのも事実だ。薄氷のメダルラウンド進出とはいえ、驚くべき出来事ではないだろう。ここまでの7試合で最終的な点差が4点以上になったのは、26日の初戦で戦った対セルビア代表戦(11-22)のみ。2試合は1点差という激戦だった。ほんの些細なことが影響して勝っていてもおかしくなかった試合に勝てていなかっただけなのだ。

 

 日本代表が大会初日に勝利した相手のベルギー代表は、グループラウンドで4勝を挙げ準決勝への直接出場権を得ている。しかし7試合の合計得点では日本代表と3点しか差がない(日本代表123、ベルギー代表126)。日本代表があと2勝し、2位争いに絡んでいた可能性は十分にあった。

 

 27日にグループラウンド最終戦として戦った中国代表との試合は、競い合いながらも結果がついてこない流れで迎えた非常に難しい試合だった。18得点以上を取り、2点差以上で勝たなければ決勝トーナメント進出はかなわない。しかし、ここまでの試合でも得点源として活躍していた富永啓生(ネブラスカ大学)の、起死回生のKOツーピース(2Pショット)が飛び出した。絶体絶命の崖っぷちから這い上がってきた日本代表は、27日夜の準々決勝で同3位のラトビア代表と対戦する。


3×3男子日本代表試合結果(7月26日・27日)

 

<第5戦(26日)>
日本(1勝4敗)11-21セルビア(5勝)

グループラウンド最大の難敵だったセルビア代表。保岡はほとんどの得点に絡む活躍だった(写真/©fiba.basketball)

 

保岡龍斗 8得点、1リバウンド、2キーアシスト
富永啓生 1得点、1リバウンド
ブラウン アイラ 1得点、3リバウンド
落合知也 1得点、3リバウンド
※キーアシスト=制限区域内の味方プレーヤーに得点に有利な状況を生み出すラストパス

 

<第6戦(26日)>

日本(1勝5敗)16-19ROC(2勝3敗)

ROCのディフェンスを吹き飛ばすブラウンの強烈な一撃。敗れたものの力は見せられていた(写真/©fiba.basketball)


保岡龍斗 2得点、4リバウンド、2キーアシスト
富永啓生 6得点、3リバウンド、1キーアシスト
ブラウン アイラ 7得点、8リバウンド
落合知也 1得点、2リバウンド、1キーアシスト


<第7戦(27日)>

日本(2勝5敗)21-16中国(2勝5敗)

第一段階をクリアした男子日本代表。どこが勝ってもおかしくない決勝トーナメントの舞台に立つ(写真/©fiba.basketball)


保岡龍斗 8得点、3リバウンド
富永啓生 8得点、2リバウンド
ブラウン アイラ 5得点、2リバウンド、1キーアシスト
落合知也 2リバウンド

 

3×3の発展を支えてきた世代の一人である落合知也(右)。決勝トーナメント進出までで止まってはいられないという思いだろう(写真/©fiba.basketball)


☆グループラウンド最終順位

 

1位 セルビア(7勝)
2位 ベルギー(4勝3敗)
3位 ラトビア(4勝3敗)
4位 オランダ(4勝3敗)
5位 ROC(3勝4敗)
6位 日本(2勝5敗)
7位 ポーランド(2勝5敗)
8位 中国(2勝5敗)


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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