月刊バスケットボール5月号
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渡邉 飛勇
PF/207 cm
琉球ゴールデンキングス[/caption]

 

[東京2020 男子日本代表の横顔]

日本のインサイドの厚みをもたらす22歳の若きビッグマン

 

 ハワイで生まれ、本場アメリカのバスケットボールに触れてきた渡邉飛勇。アメリカではヒュー・ホグランドの名でNCAAディビジョン1のポートランド大で活躍。その後、カリフォルニア大デービス校の大学院に進み、2021-22シーズンより琉球ゴールデンキングスに加わることが発表されている。

 日本のファンにはまだなじみの薄い渡邉だが、彼の所属していたポートランド大は日本とは縁の深い大学だ。というのも、海外挑戦のパイオニアの一人である伊藤大司(現アルバルク東京アシスタントゼネラルマネージャー)や、新潟県の帝京長岡高出身のタヒロウ・ディアバテも同大でプレーをしていたからだ。

 そんな渡邉の最大の武器はローポストでの1オン1スキルの高さ。20 7cm、106kgという立派な体格を感じさせないしなやかなフットワークと、右手でも左手でも放つことができるフックシュートはNCAAの強豪チーム相手にも十分に通用するものだったと言える。アジアカップ予選や東京オリンピックに向けて国際強化試合では、なかなかそのスキルを見せることはできなかったが、ここぞの場面で渡邉の活躍が日本代表を救う可能性があることを頭に入れておくとよいかもしれない。

 また、スクリナーとしても大きな体を使った壁のようなスクリーンをセットすることができ、ディフェンス面でも高いジャンプ力とインサイドで体を張って各国のビッグマンをガードできるフィジカルを持ち併せる。

 安定したインサイドでの貢献が期待できる点と、ギャビン・エドワーズらとともにリムプロテクターとしての活躍が期待できる点は間違いなくプラス。彼のオールドスクールなスタイルは、どうしてもインサイドで不利な状況に立たされることの多い日本代表の大きな助けとなるはずだ。

 渡邉はまだ大学生だった頃の日本代表の強化合宿で「日本代表でプレーすることが夢」と話していた。その夢をかなえた今、次なるステップは世界の強豪相手にわたり合い、日本代表の中心選手となることにシフトしているはずだ。

(堀内涼/月刊バスケットボール)



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